海猫屋の「不思議なことなどなにもない!」天使なんて大嫌い!編PART.3

チャネリングで見えたものは……

困惑した顔で額を押さえる私を見て、多少の冷静さを取り戻したのか? チャネラーさんはガックリと椅子に腰を下ろすと「じゃあ私の言う通りにイメージしてください。」そう小さな声で言いました。
詳細は忘れましたが、とにかく私の周囲を金色やら白やらピンクやらの光で何重にも包み、最後はふわふわの泡でくるむ……といったものでした。

「ふぅ……やっと落ち着いた……」
「なんですか? 今のは?」
「シールディングよ、それも知らないの?」
「知りません。」
「アナタ、変な宗教やっているでしょ?」
「はぁ!? なにを根拠に言ってるんですか?失敬な!」

さすがにこの言葉にカチンときた私は、ついつい大きな声を出してしまいました。
するとそれまでブスッとしていたチャネラーさんの顔がみるみる赤くなり、目には涙が溢れてきました。

「だって……眩しすぎてなにもみえないんだもの……。一瞬、おじいさんのような人がみえた気がしたけど、すぐに白い光がジャマしてみえなくなった……」

チャネラーさんは泣き出す寸前です。
はてさてどうしたものかと思いつつ、私はおじいさんと白い光に心当たりがあったので、こう質問してみました。

「おじいさんのような人って、髪が長くて服がゾロっとしていて……仙人っぽくはありませんでしたか?」
「そう言われてみたら、仙人っぽいかも?」
「えーっと、白い光を消せばいいんですね? 多分、その仙人っぽくみえたのって私の宇宙意識体です、白い光は眷属の白蛇です。後ろに下がらせるんで……ちょっと待っていてください。」

キョトンとするチャネラーさんを他所に、イメージのなかで白蛇をチョンチョンと突っつくと……。

「あぁ!みえる! 仙人様が……みえますーーーっ!!」

90分のセッションでここまでが30分ほど。残り60分はチャネラーさんがチャネリングの資格を取るに至るまでの苦労話。そして彼女は自分の脆さと繊細さについて延々と語り、私はその話にただただ頷き、おじいさんがみえたことを繰り返し賞賛するだけでした。
天使に囲まれたフワフワした空間。最初に会ったときとは一変した顔つきで、頬を紅潮させ目を輝かせているチャネラーさん。

「私たちの出会いって必然だったのね!」

その言葉を苦笑いで受け止めつつ、私はこんなことを考えていました。

「天使なんて大嫌いだ。」

 

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