松田有真のミラクルHappy☆Life宮古島~しあわせ島時間PART.2 命を繋ぐ大事なお水⑬

宮古島の井戸や湧水をご紹介しています。

リゾート地に近い場所にある宮国の「あな井」

もう一つ、三角形の形をした宮古島の底辺の中央辺り「宮国」という場所に「あな井(アナガ―)」という井戸を見つけました。この場所は、宮古島でも私の大好きな場所、これまで何度も訪れているリゾート系天然温泉「シギラ黄金温泉」へと向かう道のりにあり、普段からいつも通っていた道沿いでした。

 

これまで何度となくこの井戸の前を通っていたのですが、それなのにも関わらず、今回の取材でリサーチを開始するまでは全く知らなかったという。それ位、ひっそりとした茂みの中に佇む井戸だったのですね!

この石版の裏の茂みにひっそりと佇んでいます。

現在は新しくできた2本の道路と、旧道に挟まれた三角地となった一角に残されているあな井。その名前や存在については知ったものの、得た情報には詳しい地図もなく、付近まで訪れて見ても、井戸の場所をなかなか見つけることが出来ず、車を止めサトウキビの刈り取り中の農家のおじさんに声を掛け、この場所を教えて頂きました。宮古島で出会う方は、本当に親切! そして皆さん何よりも明るくてキラキラ笑顔の人が多いこと! まるで妖精さんのようなピュアで天真爛漫の魂がキラリ☆輝くおじさん・おばさん、おじい、おばあが沢山いるんですよ! 宮国の「あな井」は、自然に落ちこんだ堅穴状の洞穴泉に手を加えたもので地上入口から湧水口までの高低差は12~3メートル前後。

入口から底部の湧水口まではかなりの急勾配で落ち込んでいて歩幅の狭い階段が小刻みに続いています。

 

写真の奥に湧水口が写っているのが見えますが、この時、私は階段を半分程まで降りてみたものの、それ以上下って行くのはどこか憚られるような気持ちがしてそこから先へは立ち入ることは止めておきました。洞穴の基底部は、畳4枚半ほどの広さで、湧水をためる池がコンクリートで造られおり中には澄んだ水が湛えられているようです。井戸の地上部周辺には、ガジュマルやアコウの木、ドウンタ木などが覆い茂っています。

 

こちらは少し離れた場所にある窪み。 

史跡の説明板によれば「宮国村の番所跡の東に位置しているので当時の役人たちによって「東井」と呼ばれていたそうです。こちらもその他の地域同様、水道が普及するまでは、宮国住民の生活を支える貴重な水源であったそう。「夜も、畳も、ひっきりなしに人が集まり、水くみ、せんたく、水浴などでにぎわっていた」説明版にはこのように記されています。これが水道が普及する前の宮古島の人々の暮らしぶりなのですね! このあな井は、大正15年にかなり大がかりな改修工事が行われたようで大正15年9月8日の日付と寄付者芳名を刻んだコンクリート製の「改鑿記念碑」が入り口付近に建っています。こちらでも古くより島の皆様の暮らしを支え命を繋ぎ続けてくださっていた尊いお水に感謝の手を合わせ、失礼することにしました。

宮古島に点在する様々な「降り井(ウリガー)」をご紹介してきました☆ 次の泉はいったいどんな所にあるのでしょうか?