松田有真のミラクルHappy☆Life宮古島~しあわせ島時間PART.2 命を繋ぐ大事なお水⑨

宮古島には様々なタイプの井戸や湧水があります。数ある湧水ポイントの中で、今回は島内にある「洞井(ドゥガー)」・「降り井(ウリガー)」に的を絞ってご紹介してみたいと思います☆

市街地にある降り井(ウリガー)である
「大和井」(ヤマトガ―)

観光情報誌などにも掲載され、比較的名前の知られている島内の井戸といえば、「大和井(ヤマトガ―)」ではないでしょうか? 大和井は、宮古島市の市街地近くにあるガーの一つで1992年(平成4年)2月18日に国の史跡に指定された石造遺跡です。

松田有真ブログをお読みくださっていた方の中では過去の記事で登場したことがあるのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね!私の宮古島移住や、人生の転機の切っ掛けをもたらしてくれたサイキックチャネラーの「千さん」の著書「木の神様・水の神様」でも登場していたあの井戸です☆大和井は、周囲が約20メートル高さ約6メートルの円形の石積みの穴の底にある「降り井(ウリガー)」です。相当大きい規模ですよね!

 

南の島の人々の暮らしと、見事な技術が垣間見える

大和井が掘られたのは推定1720年頃。伝承によると、大和井は、首里王府や薩摩藩から派遣された「役人専用の井戸」であり庶民は使えなかったそうです。そのことから「大和井」という名前が付いたという説や、大和の人が井戸の構築に携わったことからその名前が付いたという説があるようです。島外の事を昔は「大和」と呼んでいたのですね。この「大和井」は宮古島を始め、沖縄県内でも他に類を見ない最も手を凝らした井戸だそうですよ! その他多くの「降り井」は、上り下りの通路に石段を設ける程度で、多くは自然のまま利用していたものが多いのですが、「大和井」は、全般に渡り人工が施されていて、切り石を円形に積み上げた構造や規模は南の島の人々の暮らしと石工技術の見事さを示す石像遺跡として類を見ないものだそうです。

 

見事な石細工!かつては水源が厳重管理されている様子を伺わせる閂の跡もあります。やはりこの様子から伺うとその他の井戸とは異なる、特別な井戸だったのでしょうか? そして、「大和井」の手前には「ぶとら井」(プトゥラガー)という井戸もあります。入口から入ってすぐ左の所にある穴が「ぷとら井」です。

 

こちらの「ぷとら井」は、「大和井」と共に「大和井」という名前で(平成4年) に国の史跡に指定されました。「ぶとら井」は、より簡素な造りの井戸で一般の住民用として用いられていたものと言われています。

 

こちらも階段を降りて泉まで行く「降り井(ウリガー)」☆

 

上の写真のように、石段はほとんど摩耗し斜めになっている状態……。足を滑らせないよう慎重に。階段の一番奥に、水が湧いています。昔の人たちはこうして石段を何度も上り下りして井戸の水を汲み、自宅へ運んで使用していたのですね。本当に大変な作業だったことが伺えます。さらに「大和井」の交差点の向かい側には、「大川(ウプカー)が」という井戸があります。

 

「大川」は家畜用として使用されていたもの。今では道路によって分断されていますが、古くは、近隣に集まるこれらの井戸を、お役人用、住民の方用、家畜用と、島より湧き出る貴重なお水を使い分けて生活していた当時の様子や歴史が伺えるようですよね!