ガユーナ・セアロ氏インタビュー(後編)~生きているプロセスを楽しみなさい

TRINITY 45号のトリニティーインタビューでご紹介した、ミャンマーをメインに世界各国で独自の活動を展開している日本人上座部仏教僧侶、ガユーナ・セアロ氏。本誌ではご紹介しきれなかったインタビューを、Trinity WEBでご紹介します。今回はその後編です。

 

やりとげて生き抜くことに
本当の幸せがある

幸せという言葉の意味は「仕合わせ」、つかえてあわせるんだ。両方とも頑張ってうまくいく。みんなが努力できた時にできた花が、なくなったらまた種を植えて、花が咲いて、実ができていく。心地良いのが仕合わせではないよ。やり遂げるということ。生き抜くというところに仕合わせがある。
心は揺れていい、揺れても真ん中に戻ってくるんだから。みんな「不動心」というだろう。そんなしんどいことはやめてもいい。できなかった時に人のせいにしてしまう。怒っても揺れても泣いてもいい。心の中に平安をつくる。私に生まれてよかったと思える、それが心が豊かということ。みんな100%、だれも比べることもない。仮に五体不満足でもそう。そういう子どもはエネルギーが強いから、私は私で生きると決めて生まれてくる。でも生まれた時にそういうことを忘れてしまう。それで可哀想と言われてしまうと、そう思い込んでしまう。そして死ぬ時、「あれっ、自分は可哀想な人生に生まれてくるつもりじゃなかったのに、しまった!」と思う。そんなのは、つまらないでしょう?

生きているプロセスを楽しみなさい
ご褒美は向こうからやってくる

被災地にひとりぼっちで住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんが一番欲しいのは、物ではなく話し相手しかない。だからお話をしにいく。
ミャンマーの子に被災地のことを話すと、「家や冷蔵庫、クーラーもらえるんですか」ってびっくりするよ。その子はハリケーンの時、家ごと流された。で、また竹の家を建てた。畑も食い物もない。そんなこどもにも、「どこで生きても、あなたらしく生きていくならサポートするよ」と私は言っている。
このまえ、カンボジアの拠点で頑張っているこどもたちが、王様と接見をしたんだ。ご褒美は、期待をしなかったら向こうから勝手にくるから、プロセスを楽しみなさい。まず、生きているだけで楽しいよ。

 

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