アンガーマネジメント Vol.6「怒りの奥にある感情を探ろう」

第4回5回目とレポート形式の記事をお伝えしたので、今回は第3回目の復習から始めましょう。

1.怒ってもいいが、頻度が高い・強度が強い・持続性がある・攻撃性がある怒りは要注意
2.ストレス解消で物に当たるのは、逆効果!

今日のテーマは、アンガーマネジメントでも一番大事なポイントの1つ。
「怒りの奥にある感情を探ろう」です。

ネガティブな一時感情が溜まっていると怒りっぽくなる

「怒り」は「二次感情」と言われています。「怒り」いう感情の奥には、ネガティブな「一次感情(不安、寂しさ、身体的な辛さ、絶望等)」が潜んでいるのです

500mlのペットボトルを想像して下さい。
私たちは自分の器に、毎日「一次感情の水」を注いでいます。

夫の帰りが遅い(寂しさ)、今月の支払いが滞りなく済ませられるか(不安)、仕事でクタクタ(倦怠感)など、放っておけば自分のペットボトルはすぐにネガティブな水で一杯になってしまいます。

そしてこの水が満杯に近づけば近づくほど、怒りへの導火線も短くなってしまうのです。

仕事で疲れ切って帰宅した夕食時、子どもがスープをこぼして床や他の食器が汚れて冷静で注意できる親はどれ位いるでしょう? 一方、宝くじで3億円当たった!という夕食時、スープをこぼして怒鳴ったりする親はいるでしょうか?

前者と後者、起きている出来事は同じです。違うのは親の「ネガティブな感情」の溜まり具合。100mlしか水が溜まっていない場合と480ml水が溜まっている場合は、同じ刺激でも容器からのこぼれやすさが違います。

つまり怒りにくい人とそうでない人の違いは、「自分のペットボトルに水がどの位たまっているかどうか」また「ペットボトルの容量が大きいか小さいか」という点なのです

アンガーマネジメントでは、ペットボトルの水を定期的にこぼしてあげるテクニック、またペットボトルの容量を1L、2Lと大きくするテクニック実践していきます。

怒りを爆発させずに済む方法

もう1つ、すごく大切な事実をお伝えしますね。

私たちは、出来事が起きて、その瞬間に「怒り」を発動する訳ではありません。一次感情から二次感情まで移行するのには時間がかかるのです。

どれ位だと思いますか?

2秒です。

たった2秒。要は、この2秒をやり過ごすことができれば怒りを爆発させずに済みます

ちょっと脳の仕組みをご紹介しますね。
私たちの脳は、すごく大雑把に分けると「大脳辺縁系」と「大脳新皮質」という二つの部分に分かれます。

「大脳辺縁系」は別名原始脳とも言われ、爬虫類にもある部分。外部からの刺激があると、それに直接反応します。一方「大脳新皮質」は高等生物ほど発達している脳。周囲の状況を判断した上で行動を選択する事ができます。

怒りをコントロールするにはこの仕組みを上手に利用しましょう。
即座に出来事に反応するのは辺縁系なので、そこで反応せずに新皮質に自分の行動を選択させれば良いのです。

新皮質に合理的な判断を下す時間を与えるためにも、2秒という時間を稼ぐ必要があるのです。新皮質では「言語」が扱えます。つまり起きている状況を理論的に分析し、相手の言っている事、自分が主張するべき事を冷静に考えられるのです。

次回よりお伝えするアンガーマネジメントテクニックでは、この「2秒」をやり過ごす実践的なテクニックをご紹介していきます。お楽しみに!

【今日のまとめ】
1.「怒り」の感情の奥にはネガティブな一次感情が潜んでいて、その溜まり具合によって怒りの導火線の長さが変わる。
2.外部刺激から「怒り」が発動する時間は、約2秒。この2秒をやり過ごす事ができるかが鍵!

 

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