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動物にもお祓いが必要 ペットの七五三と厄年知ってますか?

今までは人間にしか適用されていなかった、「日本独自の風習がペットにも適用される」ことになりました。先日、テレビでも取り上げられて居ましたが、最近ではペットの「七五三」を行う神社が出てきているのです。

私たち人間の生活に潤いを与えてくれる存在である「ペット」。時代と共に多種多様なペットを飼育できるようになったことや、出生率の低下にともなって、「家族としてペットを飼う人」も増えてきています。そんなペットの中でも、最もポピュラーであり、古くから愛されているのは「犬」と「猫」でしょう。

 

【20年で5倍になった犬猫の平均寿命】

そもそも犬は、「人間が一番初めに飼ったペット」であるという説もあるほどですし、猫も古代エジプトでは「ミイラとして保存される」ほど身近な存在でした。それだけメジャーなペットですが、ここ「30年間」で「犬猫の平均寿命が飛躍的に伸びている」ということをご存じでしょうか? 東京都日野市にある「須田動物病院」の須田院長が、自らの病院で手がけた犬猫の死亡率を、1980年から2008年までまとめたものを発表してくれています。そちらによると、1980年には平均して「3~4歳」で亡くなっていたものが、約20年後の1998年には「14歳」までのび、それからは平均して14歳前後をキープしているということがわかります。

これは、「平均寿命が5倍近く伸びた」ということであり、犬猫の年齢を人間に換算すると「平均年齢70歳ぐらいまでは生存できる」ことになったわけですので、日本人の平均寿命に近づいてきているということもできるでしょう。ここまで寿命が延びた要因としては、感染症などを予防するためのワクチン接種が普及したこと、野良犬が減ったことや、質の高い食事を与えることが可能になったことなどがあげられています。その結果、飼い主は「ペットと過ごせる時間が長くなった」わけですが、それに伴い、今までは人間にしか適用されていなかった、「日本独自の風習がペットにも適用される」ことになりました。先日、テレビでも取り上げられて居ましたが、最近ではペットの「七五三」を行う神社が出てきているのです。

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【七五三の意味】

そもそも七五三とは、「子供の成長を感謝し祝うためのもの」でした。昔、子供は「7歳までは神のうち」と言われていました。これは、子供は「7歳まではまだこの世の存在ではなく、神の世界に属している」ので、7歳を過ぎるまではいつ呼び戻されてしまっても仕方ないことなのだ。という意味をもっています。すなわち、医療技術が発達していない時代は、子供が乳幼児期に死亡することが多かったために、このような言い伝えで「子を失った親の心を癒していた」わけです。そんな状況の中で、節目として設定されたのが、「3歳と5歳と7歳」なのです。これらの年が選ばれた理由ははっきりとしてはいないのですが、7歳を含めて、奇数になっているのは、陰陽思想では奇数が「陽」の数なのでで、「縁起のいい年」とされたのではないかといわれています。縁起のいい年にお祝いをすることで、子供がこれまで神様に連れ戻されなかったことに感謝し、これからの成長を願ったわけです。

子供の死亡率が格段に下がった現代でも七五三は続いていますが、前述したようにペットも平均寿命があがったおかげで、七五三を受けることが出来るようになりました。成長に感謝と願いを託すという意味では、七五三の間隔は現代ではペットの方がしっくりくるような感じすらあります。ちなみに、人間の場合は、女の子が3歳と7歳、男の子が5歳と7歳に七五三を行いますが、ペットは特に「雌雄の区別はしない」ケースが多いようです。

テレビで取り上げられたのは、東京都新宿区にある「市谷亀岡八幡宮」でしたが、他にも千葉県野田市にある「櫻木神社」や兵庫県小野市にある「住吉神社」など、全国各地で犬猫の七五三を行う神社が増えてきているようです。

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