いよいよ年納め!?『年越しそば』と『幻のそば』のお話

年越しそばの解釈はポジティブにいきましょう!

私たちの多くは大晦日になると『年越しそば』を食べると思います。人によっては『そば』ではなく『うどん』を食べる人もいるかもしれません。味の好みもありますし、アレルギーの問題もありますので、それはどちらでも良いと思います。とにかく、それを食べることで年越しした気分になれるというか、ちょっとした節目になりますよね。

『年越しそば』に込められた願いとは?

うどん派の方はさておき、なぜ『年越しそば』なのかというと、「細く長く生きられますように」という願いが込められているからだと言われています。この言葉は、解釈が人によって微妙に違うのですが、これは決してネガティブな意味合いではありません。

この願いを素直に受け止めて下さっている方は良いとして、疑問を持ったり、反論をしたりする方々は、もしかしたら少し誤解しているかもしれません。

これはどうかと思うのですが、「細く長く」を「大きな変化が無くジワジワと長く生きながらえる」と解釈している人がいるそうです。たとえば、現状が辛いと思っている人は、「このまま私の人生は、この辛さをジワジワと味わい続けながら長く苦しみ続けなければならない」と思ってしまうようなのです。そこまで行かなくても「何の刺激も無く無意味、無価値な時間を無駄に長く生きる」という解釈をしてしまうらしいです。

ちょっと待って下さい!誰が年越しの大事な節目に、そんなネガティブな想いを込めて『年越しそば』を定着させる必要があるのでしょう。ご先祖様や神様がそんな事を考えているとはとても思えません。おそば屋さんも一生懸命自分たちが作ったそばを、そんなふうに思いながら売ったり、配達したりしませんよね。

そういった屈折した価値観で人生をコーティングして太くしてしまうのではなく、厄を落とし、スタイリッシュに長く幸せに生きて欲しいという願いが込められているのだと解釈して下さいね。「末永く幸せに」という意味合いが、含まれていることを決して忘れないようにしてくださいね。

『幻のそば』を見つけました!

金城記事【図1】(1227または28用)

先日、興味深いそばの存在を知りました。せっかくなので、そのおそばの紹介をしたいと思います。
そばの種類もたくさんありますが、その中でも地域によっては、その土地ならではのそばがあると思います。その中でも、昔からその土地に生息しているそばを『在来そば』と言います。意図的に海外から輸入させて定着させたとか、あるいは遺伝子組み換えをして創りだした最新のものだとか、そういうものではなく土着のものです。

『在来そば』というのは、その土地その土地にある(無い土地もあると思います)ので、珍しいといっても、それほど珍しいモノではありません。今回私が知った『幻のそば』は『在来そば』の中でも特に珍しいそばでした。

それは『千葉在来そば』です。千葉とそばって、あまり直結しないと思います。名産でも特産でもありませんよね。そんな千葉ではありますが、千葉には千葉で『在来そば』が存在していたそうです。しかし、そんなに大量に存在していたわけでもなかったようで、時と共にそのそばの存在は消えていってしまったそうです。

ところが、数十年の時を経て、なんと!失われたと思われていた『千葉在来そば』の種が、とある家から発見されたそうです。詳しい年は謎ですが、おそらく21世紀に入ってからではないかと思います。発見されたと言えども、大量現存していたわけではありませんので、千葉在来そばを大量生産する事はできません。運良く希少な種を入手できた、ごく一部の人たちだけが自家栽培し食べていたそうなので、それが『幻のそば』と呼ばれているゆえんなのだそうです。失われた味の復活。なんだか、とてもロマンを感じますね。

『幻のそば』の現在はというと、一部のお店では食べることができるそうです。もしくは、『千葉在来そば』を普及させようとしている人たちがいて、時々、イベント等を開催して、一般公開しているようです。私も、偶然、そのイベントを発見して『幻のそば』を食べることが出来ました。それほど有名ではありませんが、知る人ぞ知る『幻のそば』のファンは一度食べたら病みつきになるようで、私がイベントに食べに行った時も開始時刻前から大行列で1時間以上並んだほどです。

普通のそばはグレー色なのですが、『千葉在来そば』は白味がかった色でした。味は一般的なそばと違って甘い麺です。見た目も味も異なるので、違いはハッキリとわかると思います。

入手方法は、運良くタウン誌などのイベント情報で見つけるくらいしか思いつきませんが(もちろん調べれば問い合わせ先はあると思いますが…)、もし、食べる機会がありましたらぜひチャレンジしてみて下さい。

それでは、『年越しそば』を食べて、良いお年を。