一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.61「アオハライド」

800万部突破の大ベストセラーコミックスの青春ラブストーリーを本田翼&東出昌大コンビで映画化!
一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.61「アオハライド」

少女漫画の様式美通りながら
主演二人の美しさにパワーをもらえる映画

「君に届け」「僕等がいた」「ホットロード」など、少女漫画を映画化したものはたくさんある。私も少女漫画が好きで、体質としては少女漫画体質であると思う(笑)。漫画家を目指したこともある。しかし、恥ずかしくなってしまう台詞などがどうしても描けなくて、ついぞ描きあげることができなかった。

少女漫画というものは、あるパターンがあり、映像化した場合、セリフや主人公の行動や苦悩など、生身の人間が言ったり動くと、違和感を感じてしまうものが多い。それに乗れるかどうかが、評価の分かれ目となると思う。

本作もいわゆる少女漫画の“様式美”に沿って、ヒロインの中学時代の思い出の話から始まり、その思い出の中の初恋の男子が高校生になったヒロインの学校に転校生として登場。彼の苗字が変わっていてヒロインは戸惑うが、その男子にはヒロインと離れていた間に苦悩の過去があり、そのことがヒロインとの関係に大きく障害として立ちはだかる。

ヒロイン役の本田翼の顔、表情カワイすぎ!
ずっと観ていたい気持ちになる

うまく行きそうになったら問題が出てきて、解決してまた問題が…というパターンはお話作りの定石だけど、その問題がヒロインのメンタル、男子の過去のメンタル、男子の前の彼女、というお決まりパターン。なんだけど、私がこの作品をレビューで取り上げたのは、とにもかくにも、ヒロイン役の本田翼が素晴らしかったからである。

「ニシノユキヒコの恋と冒険」でも印象に残ったが、本業のモデルだけでなく、お芝居もできる方で、しかも、日本人好みの可愛い顔。フォトジェニックなルックスは特筆のキュートさだ。彼女が泣き、笑い、走るという生き生きした表情や動く様をずっと観ていたいと思わせる。観ているだけで幸せな気分になる。これって、女優として一番必要な要素だ。そして自然な演技。ヒロインの気持ちがびしびし伝わってくる。もう、彼女を泣かすなよ、はっきりせんか! と東出昌大演じる男子に多少イライラもした。こういう男、現実にいたらうっとおしいだけだよなぁ〜と何度も思う。しかし、ヒロインはこういう苦悩する男が好きなのだ。やれやれ。

人は美しいものを見たい欲望がある
映画は本来そういう役割を持つ

時に身もだえしそうに恥ずかしいセリフもあったが、私はけっこうこの「少女漫画」という様式美さえ感じさせられる世界に入ることが出来た。それは、ちゃんとヒロインや、周りの友人たちの感情も描けていたからだろう。

丁寧な作り、という印象。監督が少女漫画の映画化に定評がある三木孝浩(脚本も同様に漫画の脚本化が巧い吉田智子)ということもあるのだが、私は彼の作品の中では本作が一番好きである。なんか、無理がない。無理やり感が少ないのだ。それはたぶん役者のルックスに負うところが大きい。

モデルでカワイイ本田翼、そして同じくモデルで長身美形の東出昌大。この少女漫画から飛び出して来たような美しい二人が画面いっぱいアップで動くのだ。人は美しいものを見せられたら納得して黙ってしまう。

本作の勝因は美しい人間離れした二人を主演にしたことだろう。それだけで、もう世界観ができてしまっている。私たちはただ、美しい人間を見ているだけでも楽しく満足なのだ。

映画は美しい人間をアップで撮り、観客に堪能させる。という大きな特徴がある。それを分からせてくれた一作である。

美しいものは、人の心を活性化させる力を持つ。また、明日を生きる励みにもなる。
そういう意味で私は、本作からパワーをもらえた。

■キャスト・スタッフ
本田 翼 東出昌大
新川優愛 吉沢 亮 藤本 泉
高畑充希
千葉雄大 小柳 友
岡江久美子

監督:三木孝浩
原作:咲坂伊緒「アオハライド」(集英社「別冊マーガレット」連載)
脚本:吉田智子
音楽:林ゆうき
主題歌:いきものがかり「キラリ」(EPIC レコードジャパン)
■122分

■2014年12月13日(土)全国東宝系にてロードショー
■公式サイト http://www.aoha-movie.com

(C)2014映画「アオハライド」製作委員会 (C)咲坂伊緒/集英社