一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.54 「マダム・マロリーと魔法のスパイス」

一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.54 「マダム・マロリーと魔法のスパイス」

高級フレンチVSインド料理 料理対決の行く先は幸福なマリアージュ!

格式ある高級フレンチレストランの前にできたインド料理のお店。
互いに食材や客をとりあってあの手この手の攻防戦を繰り広げる。この闘いを終わらせるのは、インド人一家の天才的な味覚と料理の腕を持つ次男だった。彼の作るオムレツに魅了されたフレンチレストランの女主人マロリーは・・・・。

ディズニー製作の料理をモチーフにした楽しい娯楽作。
インド料理、フランス料理はもちろん、フレンチで使われる定番ソースや、オムレツ、焼きたてのパンなど、要所要所で鮮やかに料理が登場する。料理が出てくる映画って、観終わって出てきた料理が必ず食べたくなる。この映画は、やはり猛烈にカレーが食べたくなった。しっかり夕飯はカレー作りましたけど(笑)。

焼きたてパンに芋羊羹、春雨ヌードル 映像や言葉から食べたくなる料理ってあるよね

だけどこの映画で一番おいしそうだったのは、マルグリットというフレンチレストランのスーシェフ(副料理長)が、事故にあったインド人一家に薦める食事だ。手作りパンにチーズ、ローストビーフ、トマト、オリーブオイル・・・。次男はもうそこで、彼女に魅かれる。胃袋を掴まれると男は弱いんである。いや、女も弱いのだけどね。焼きたてパンもこの映画を観てから脳に残ってしまい、普段パンて食べないのに、やたらパン屋に通ってしまいました。

どうも、私はラジオで「芋羊羹」て聞いただけで芋羊羹が食べたくなったり、台湾映画で春雨の麵をすすっていたらそれがどうしても食べたくなるという、食べ物への執着がかなり強いみたい。また、それを自分で作りたいんである(両方作って食べました)。まあ、四柱推命で「食神」という星がふつう一個ついてたらいいらしいのだが、私は4つもついてるらしく、食べ物にうるさいと言われた。だからいつも食べ物のことを考えている(笑)。
こんな私にとって、本作はうきうきワクワク観れた一本だ。

マルグリットの嫉妬は人生のスパイス
たくさん嫉妬して葛藤して成長していく私たち

さて、映画はテンポ良く進み役者も好演。マダム・マロリー役のヘレン・ミレンも「RED/レッド」でアクション頑張るより、こちらの方がよほど適役だ。インドの名優オム・プリもインド人一家の頑固でワンマンな父親を憎々しくかつまたキュートに演じてさすが。

で、本作で私が一番面白かったところというと・・・。
前述したマルグリット嬢だ。彼女もシェフを目指しマロリーのレストランで日々精進している。気持ちのいい娘で、次男が「フレンチを教えて」、と言っても「ライバルに?」と言いつつ本を貸してあげたり、いろいろ彼にアドバイスをする。しかし、次男の才能をマロリーが認めたことを知ると、嫉妬でとたんに次男を非難するような物言いをしてしまう。それを聞いて次男は「嫌な言い方だ」と正直に言う。

このシーン。素晴らしく良く分かるし、良いシーンである。マルグリットは女性である。女性のフレンチ・シェフというか、なんの料理でもそうだが、一流の女性料理人、料理長というのは、ほとんどいない。一流料理の世界は男社会なのである。彼女は彼の才能を理解しているが、どうしても嫉妬してしまうし、受け入れられない。そして、自分のしたアドバイスを利用されたように思ってしまい、とっさに意地悪なことを言わずにはいられないのだ。彼女の葛藤が見て取れて私はものすごく共感! 人間的くさい彼女のことがより大好きになった。演じるシャルロット・ルボン、ルックスも奇跡のように美しくて、注目の女優だ!
嫉妬も人生の大切なスパイスですよね。

■監督 ラッセ・ハルストレム
■脚本 スティーヴン・ナイト
■原作 リチャード・C.モレイス
■出演 ヘレン・ミレン オム・プリ マニッシュ・ダヤル
    シャルロット・ルボン ミシェル・ブラン
■122分
■11月1日(土)シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー
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