ココロセラピストが語る!『怖い噂』とは?~悪意なんて無かったんだ…!?~

噂というのは曖昧なもの

噂話は好きですか。僕は噂話が大好きです。オジサンですが、オバサンみたいになってきた今日この頃です。

嘘か本当かわからないけれど、やっぱり本当かも知れない。そんなインパクトがあって興味をそそる話は問答無用で聞き耳を立ててしまいます。

身近なところでは知人友人に関するどうでも良い噂から、果ては『小さなおじさん』のような都市伝説、「地球は一部の人間にすべてコントロールされている」と言った陰謀論。そういう話って、実に気になるところですよね。

噂話も、昔は深い意味なんてなかったのかもしれませんが、次第に社会学などで取り上げられたり、クチコミ等からマーケティングに関連付けて経済の研究で取り上げられたり。そうなって来ると今度は、噂も噂の範疇を超えて『情報操作』に使われたり…なんていうことも実際にあるわけです。

今回は、都市伝説や情報操作の話ではなく、もう少し身近な噂について一緒に考えて行きたいと思います。

噂というのは意図的に流しているものは別として、誰かと誰かの会話(そこにはいない誰か、何かを指す話題)が自然発生的に広まっていく事ですよね。

噂というのは、誰かが話を横流しにしているにしても、そもそも勝手に広まっていくものなので根拠とか、詳細とかは曖昧でも良いのです。もちろん論文を書いたりするときや、会社の書類を作る時等の時は事実や因果関係が大事ですので曖昧な情報はタブーですが、日常生活というのは案外アバウトだったりするものです。

たとえば、日常会話から何気なく「●●というラーメン屋って、醤油味も良いんだけど、実は塩味がもっと美味しいらしいよ!」という話題が出てきたとします。その話が何らかの手段で広まると、情報源こそ曖昧になりますが、「●●というラーメン屋の塩ラーメンは美味しいらしい」という情報が広まったとします。

こういう噂ならどんどん広まっても良いですよね。良い噂は誰だってどんどん流して欲しいものです。僕も良い噂なら遠慮なく広めて貰いたいです。もちろん真実とかけ離れすぎた極端な噂は微妙ですが。

話題の中にネガティブな要素がある場合は要注意

ここで気をつけて欲しいのが『悪い噂』です。『風評被害』などがまさにそれですね。こういう『怖い噂』は本当に厄介です。

この『悪い噂』なのですが、どこが『怖い』のかというと、必ずしも悪意が込められているとは限らないところなのです。悪意があって悪い情報を流しているのなら『情報操作』であって、厳密には噂ではありません。

たとえば「近所にある✖✖というコンビニでコロッケを食べたら運悪く、腹痛になって大変だったんだ…」という話があったとします。本人は「運悪く」という事を話のメインにしたかったとします。この話が噂として広まって「ニュースにこそなっていないけど✖✖のコロッケを食べると食中毒になるらしいよ…」という話になってしまうと、一見すると問題なさそうですが内容が大きく変わってしまうのです。元々は「近所の✖✖というコンビニ」という特定の店舗をしていたはずなのに、いつの間にか、まるでグループ全体であるかのようなイメージに刷り替わってしまっています。しかも「腹痛になった」という箇所が「食中毒」という断定的な言葉に変わってしまっています。「運悪く」も抜け落ちて、偶然食あたりした可能性という可能性が消えてしまっています。つまり、「✖✖というコンビニでコロッケを買うと食中毒になる」という話に変わってしまうのです。

たまたまコロッケを食べた人の体調が優れていなかっただけという可能性や、たまたまアルバイトの店員が調理工程を間違えた可能性等は、そこでは重要ではなくなってしまうのです。しかし、実際にこんな噂が流れてしまうと、✖✖は大迷惑です。

巡り巡って、最初にその話題をしていた人のところに、その噂が戻ってきたりしたら「そうなんだ!やっぱり、そんな噂があったんだね!あれは僕の体調や偶然性ではなくて、✖✖に問題があったんだね!」なんてことになってしまうと、完全に情報は間違ったまま定着してしまいます。

ポジティブな噂は比較的平和なのですが、話題の中にネガティブな要素がある場合は気をつけたほうが良いです。日常会話の中にはいろいろな情報が混ざっているので、当然ネガティブな情報もたくさん存在します。

人間は、どうしてもネガティブなモノに意識が向いてしまいます。これは自分の身を守るために事前に危険があれば察知して回避したり、対策を練ったりしたいという本能がそうさせているので必ずしも悪いことではありません。しかし、偶然生まれたこの噂によって悲しい目に遭う人も出てきてしまう可能性があるということも、頭の片隅に置いておくことをお勧めします。

噂に限った事ではありませんが、学校で習ったこと、本に書いてあったこと、会社の上司が言ったこと、学者が言ったこと、カリスマな誰かが言ったこと等、自分の中で少しでも疑問や違和感を感じたことは自分なりに調べる週間を身につける事も大切です。

情報社会だからこそ、情報の伝達速度は格段にアップしています。特にネット等を使って発信した情報は、どんどん広まる傾向もあります。

自分の発する言葉が誰かを傷つけてはいないだろうか。そんな配慮が身につくと、これからの時代は特に大きな武器になると思います。