「私達が大切にしなければならない事とは」チョプラ博士インタビュー「ウェルビーイングな生き方」PART6

ディーパック・チョプラ博士来日、スペシャルインタビュー

人類の集合的意識レベルでの癒しが進むことで 自然現象が変わって行くでしょう

―この3,4年は東日本大震災があり、日本にとっては辛い時期でもありました。中には未だに恐怖を持ちながら毎日を過ごしている人もいます。私達は、どんな気持ちで日々過ごしていったら良いと思われますか?

まず、「恐れをベースにした考え」というのは日本に限らず、世界中どこにでもある考え方です。米国でも右傾化した動きも見られますし、宗教間の紛争は世界の至る所にあります。

悪や古い体制は、攻撃してもなくなりません。ですので新しいモデルを作るのです。すると古いモデルが時代遅れになり、新旧が入れ替わります。恐れや欠乏感をベースにしたものから、愛や豊かさをベースにした考えに変わって行く事で、健康状態や幸福度、経済などに目に見える変化が出てくるでしょう。

また自然災害は昔から私達と共にあり、そのものを止める事はできません。我々にできるのは「危険な場所に危険なものを置かない」という事です。今回は危険な場所に原子力発電所があり、それが世界的に原子力の安全性を見直すきっかけとなりました。

人類の集合的意識レベルで癒しが進んで行く事によって、自然現象が変わって行くでしょう。

―意識を変えて行くには、良質の情報に触れる事も大切かと思います。情報過多の世の中で、私達は何を信じていけば良いでしょうか?

情報は今、過剰に重要視されていると思います。特にネガティブな情報が多すぎますね。私達が情報に変わってフォーカスしないといけないのは、社会における自愛、平和、心の平静さ、思いやり、進化、美しさといった価値観です。これらを子供にも伝えていかなければなりません。

資本主義を考えてみても、現代は一部の地域に限定されていた良質なアートや価値観が、瞬時に世界に広がるようになりました。単なる市場原理で動かされるものではなく、良い心情と結びついている資本主義(立派な心情とビジネスが結びつく資本主義)も注目されてくると思います。

私が代表を務めるglobenという団体があるのですが、ここでは世界であらゆる職人を発掘しています。例えばアフガニスタンの女性が作ったショールは現地で15ドルにしかなりませんが、ニューヨークでは500ドルの値が付くのです。こういったアートにはストーリーがあり、新たに付加価値を生み出す事で、彼女のコミュニティーの発展にもつながります。このように大きく考えて行く事が大切だと考えています。 ~了~

■ディーパック・チョプラ オフィシャルWEBサイト
http://www.chopra.jp
Photo:Tomoko Tominaga

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