漢方薬と私~心と身体はつながっている~

暑い夏が過ぎ、涼しくて過ごしやすい季節になりました。とはいえ、朝晩の冷え込みや空気の乾燥により、体調を崩しやすいので注意が必要です。もう少しすると寒い冬がやって来ます。寒くなってくると、人間の心と身体はダメージを受けやすくなります。風邪や頭痛、肩こりや首筋のこわばり、鼻炎や咳などが、冷えによって生じる体調不良・・・考えただけでも憂鬱ですよね。それだけではありません。身体が冷えてくると、心まで弱ってきます。秋って何となくネガティブな気持ちになりがちですが、それは冷えの影響も少なくありません。「冷えは万病のもと」といわれています。体温が下がると免疫力も下がり、様々な病気の引き金になります。寒い冬に向けて、どんどん身体を温めて、寒さから生じる不調に打ち勝つ免疫力を強化していきましょう。免疫力をアップして、病気にもストレスにも強い身体作りを心がけましょう。

今回は免疫力を上げるのに有効な漢方薬について、お話したいと思います。

免疫力を上げるのに有効な漢方薬

約4000年の歴史を持つ漢方医学は、人間一人一人の持つ「自己治癒力=生命力=免疫力」を高めてくれます。自然界にある草、根、木、皮、鉱物などを使用した漢方薬は、病気の治療や予防に使われてきました。漢方薬というと、見たことも無い不思議な薬草がブレンドされていて、何となく美味しくなさそうなイメージがあります。しかし、必ずしも「良薬は口に苦し」ということではありません。あまり意識した事はなかもしれませんが、野菜売り場で普段目にする生姜やシソ、お菓子などに使われるシナモンなど、身近な物も漢方薬に含まれていることが多いです。

よく、薬局に葛根湯配合の風邪薬や、各種漢方薬が並んでいますが、可能な限り信頼できる漢方専門の医師に、ご自身の症状を相談して服用することをおススメします。長いスパンで体質改善していくことになりますが、医師の見立てのもと服用することにより、より漢方薬の効果が高まり、効果も実感しやすくなりますよ。

私自身、漢方薬を服用するようになって、1年半位になりますが、心身共にとても元気になりました。それまで、慢性的な頭痛や肩こり、謎の腕の痛みに悩まされ、痛み止めの湿布や薬が欠かせませんでした。また、疲れが溜まりやすく、そのせいか、すぐに風邪をひいてしまったり、熱を出して寝込んでしまったりすることも多かったです。こんな感じで常に体調が優れず負のスパイラルに陥っていたので、いつもイライラしていました。怒ったおさるさんのように「ムキーっ!」となってキレることもしょっちゅうでした。私自身セラピストなのに、こんな過去があるなんて、ちょっと恐ろしいですよね。でも、こんな辛いことがあったからこそ、今まで気づかなかった大切なことに気づいたり、自分自身の心身の健康に正面から向き合う事が出来たりしたのかもしれません。そのような経緯もあり、心を癒す手助けをしてくれるカラーセラピーに出会ったり、後に漢方薬に出会ったりして現在は、みなさまの癒しのお手伝いをするのが仕事になりました。

漢方では「心身一如」といって、心の状態と身体の状態は密接に関わっているとされています。そして「七情」(喜び、悲しみ、恐れ、怒り、憂い、思い悩み、驚き)が強すぎたり、長く続いたりすると身体のバランスを崩してしまうという「七情内傷」という考え方もあります。

心身のバランスを整えることにより、身体が楽になり人生が楽しくなる、夢と希望に満ちた人生を取り戻すことができるのです。その近道に導いてくれるのが漢方薬といえるでしょう。

でも、漢方薬に頼りっきりでは決して全ては解決できません。日頃の生活習慣や食生活などの見直しが重要です。便利な世の中ではありますが、手間を省けば良いという訳ではありません。時には自分自身のために手間をかけてあげることも大切です。決して、大掛かりなことを行う必要はありません。旬の食材を使って料理を作って食べたり、ゆったりとお風呂に入る時間を作ったりするのも良いと思います。この時期ですと、根菜をふんだんに使った味噌汁や芋ご飯など、簡単で美味しいのでおススメですよ。

寒い季節になっていきますが、心も身体も元気に過ごせるよう、日々ご自分をいたわってあげてくださいね!