対極の法則。成功者が「どん底」を経験した結果、「成功」というポジティブの極を掴む理由とは?

ザ・キバリオン「引き寄せの法則」の原典PART.8

何事にも「両面」「両側」「両極」「対」があり
2つの両極端の間に多くの度がある

第8回「第四の法則<極性の法則>とは?」

「光と闇」「善と悪」「正と誤」「陰と陽」「豊かさと貧しさ」「愛と憎しみ」「勇気と恐れ」「静かと騒々しさ」「優しさと冷たさ」「情熱としらけ」「つながりと分離」「喜びと悲しみ」「孤独と一体感」「偉人と凡人」「同義と異議」「信じると疑う」「勝者と敗者」「安心と不安」「一事と万事」「好況と不況」など、人生には状況の正反対を表す言葉がたくさんあります。これら2つは分離された別々のもののように感じるかもしれません。
キバリオンで伝えているのは、これら「決して分離しておらず」互いはつながっていて、それは「程度が違うだけ」であるとともに、これらは「対」であり、片方のみでは成立しないことを伝えています。

<原文・訳>

4. The Principle of Polarity.

“Everything is Dual; everything has poles; everything has its pair of opposites; like and unlike are the same; opposites are identical in nature, but different in degree; extremes meet; all truths are but half-truths; all paradoxes may be reconciled.” – The Kybalion

すべては二つの部分から成る。あらゆるものに極がある。あらゆるものに対がある。好きも嫌いも同じこと。正反対のものは度が違うだけで同じ性質のもの。両端は出合う。すべての真理は真実の反面にすぎない。すべての逆説は和解されるだろう。

The great Fourth Hermetic Principle-the Principle of Polarity-embodies the truth that all manifested things have “two sides”; “two aspects”; “two poles”; a “pair of opposites,” with manifold degrees between the two extremes.

偉大な4番目のヘルメスの法則、極性の法則は何事にも「両面」「両側」「両極」「対」があり、2つの両極端の間に多くの度があるという真理を具体的に表現しています。

To illustrate: Heat and Cold, although “opposites,” are really the same thing, the differences consisting merely of degrees of the same thing.
Look at your thermometer and see if you can discover where “heat” terminates and “cold” begins!
There is no such thing as “absolute heat” or “absolute cold”-the two terms “heat” and “cold” simply indicate varying degrees of the same thing, and that “same thing” which manifests as “heat” and “cold” is merely a form, variety, and rate of Vibration.
So ”heat” and ”cold” are simply the ”two poles” of that which we call “Heat” -and the phenomena attendant thereupon are manifestations of the Principle of Polarity.

例えば「暑い寒い」は正反対のものですが、本当は同じもので、単に同じものの度が違うだけです。
温度計を見てどこまでが「温」でどこから「冷」が始まるのかわかるでしょうか。
「絶対的な温」や「絶対的な冷」などなく、「温」と「冷」は同じものの度が違うことを示す用語です。
「温」と「冷」は「熱」の両極であり、その現象は極性の法則のあらわれです。

The same Principle operates on the Mental Plane.
“Good and Evil” are but the poles of the same thing, and the Hermetist understands the art of transmuting Evil into Good, by means of an application of the Principle of Polarity.
In short, the “Art of Polarization” becomes a phase of “Mental Alchemy” known and practiced by the ancient and modern Hermetic Masters.
An understanding of the Principle will enable one to change his own Polarity, as well as that of others, if he will devote the time and study necessary to master the art.

精神界も同じ法則が働いています。
「善悪」も同じものの両極であり、ヘルメス学者は極性の法則を用いることによって悪を善に変える術を心得ています。
つまり、「極性化の術」は古代と現代のヘルメス大師により「精神的錬金術」として知られ実用されてきました。
もし必要な時間と研究を費やしこの術を修得すれば、極性の法則の理解によって自分自身と他人の極を変えることができるでしょう。

「ネガティブな体験」には、
対極の「ポジティブな体験」の可能性がある

お金を稼いで「豊かさ」を目指しているのに「貧しさ」を体験する。素敵な人間関係を通して「一体感」を求めて行動しているのに、「裏切り」「拒絶」などの体験をする。「平和」のために行動しているのに「争い」が起きる。「優秀」になろうとしてがんばっているのに「劣等感」を感じる。

こうした、目指しているものと相反するものを体験したことはないでしょうか?これらは決して分離しておらず、2つはセットであることをキバリオンでは伝えています。片方の体験だけでは真実ではなく、真の答えは得られないのです。

周りから見て、どんなに豊かそうに見えても、反対の極の体験がないと、本人は心から豊かだと感じることはないのです。仏陀が良い例です。王宮に生まれ、何不自由なく暮らしていましたが、本人はそれが「当たり前」であり、豊かさを感じるどころか、退屈で仕方なかったのです。仏陀は王宮を飛び出し、反対の貧しさの極に答えを求めましたが、結局そこにも答えはなく「中道」という悟りを開きました。

私たちの多くは「豊かさ」「愛」「幸せ」といった、一方の極を求めがちですが、それだけでは真の答えには至らないのです。対の体験が1つにつながった時、そこに極は成立し、真実がもたらされます。

逆を考えてみれば、私たちがした「ネガティブな体験」も、その体験は「対の一つ」であり、対極の「ポジティブな体験」を得られる可能性を示してくれているのです。思い出さないようにしていたり、忘れ去ろうとしていたネガティブな体験は、もう一方にある素晴らしい「ポジティブな体験」の可能性を教えてくれているのです。成功者が、いわゆる「どん底」というネガティブの極を経験した結果、そこから「成功」というポジティブの極をつかんだ話は、よく聞くパターンです。

キバリオンではこうも伝えています。
「この偉大なヘルメスの法則の知識は自分だけでなく他人の心理状態もよく理解できるようになります。これらの心の状態がすべて程度の問題だと分かれば、その振動数を自在に上げ下げして心の極を変えることができます。それゆえ心の使用人や奴隷ではなく、主人たることができるのです。

そしてこの知識により、相手を知的に助けることができ、必要であれば適切な方法で極を変えることができます。すべての生徒にこの極性の法則に精通するようお勧めします。正しい理解によって多くの難しい問題が解決するでしょう」。

【ポイント】
2つは対であること。一方の極に答えはないことを理解しましょう。極の幅が人生の安定をもたらします。いくら豊かさに寄っていようと、互いの極の幅が狭いと、人生が安定することはありません。人生にYESと言い、あらゆる体験を受け入れられる度に極は広がり、安定がもたらされて行きます。自分の人生に起こるネガティブな体験は、それだけが答えではなく、かならず対の反対にあるポジティブな極の可能性があることを教えてくれています。そこに境はなく、延長線上にその可能性があるのです。意欲を持ってポジティブな方に意識を向け、選択をして行きましょう。

次回は第五の法則<リズムの法則>についてお伝えして行きます。

メタ・シークレット・ユニバーシティー
よしだ ひろちか