心理セラピストが語る!『心の時代と心理学の悪用』とは?~ココロユタカニ~

心理セラピストが語る!『心の時代と心理学の悪用』とは?~ココロユタカニ~

心の時代。いつの時代も厳密には心の時代です。精神疾患が増えたから心の時代と言われているわけではありません。心を癒すのが流行っているから心の時代と言われているわけでもありません。心の時代というカテゴリーの定義は人それぞれだと思います。ただ、最近特に感じることがあります。もしかしたら今の時代の心の時代の定義とは『失った心を取り戻す時代』ではないかと感じるのです。

僕は悟りを開いているわけでもなんでもありませんので、エゴはたくさんあります。たとえば大きな家に住みたいとか、広い書斎が欲しいとか、本をたくさん出版したいとか。当然あなたにもエゴはあると思います。エゴというと悪いイメージがあるかもしれませんが、僕が言いたいのはそういう事ではないのです。エゴはあって良いのです。ただ、エゴに支配されてはいけないのです。

いつも思うのですが、身近な所から社会まで幅広く見つめた時、確実にエゴに支配されてしまった人があまりにも多いと感じた事はありませんか。

自己実現のために、たくさん勉強したり努力したりするのはもちろん素敵な事です。命が与えられたものだという自覚も無く、無駄にダラダラと生きているだけの人よりは健康的と言えるかもしれません。

ただエゴに支配されて生きている人は大切なことを忘れているのです。それは相手を思い遣る気持ちです。自分さえ良ければ良いと意識的に思っているわけではないと思いますが、エゴに支配されてしまった人たちは行動にそれが現れているのです。自覚しているわけではないので、指摘されたらビックリして激怒するかもしれません。ただ自覚があろうと無かろうと自分さえ良ければ良いという考えは『心の欠如』なのです。

心理学というのは、これもまた定義が難しいのですが…。この際ですので心理学ではなく学問として捉えてみましょう。勉強でも良いです。人は何故、学ぶのか。大事な問題です。それは、人類(に限らず世界全体の生命体)にとってより生きやすい世の中、環境を作るためです。ただ算数で高得点を取るとカッコ良いから勉強しているわけではないのです。

話を戻して、心理学を勉強する人がとても増えたと思います。コミュニケーション対策だったり、マーケティング対策だったり、恋愛的策だったり目的は様々です。

僕は心理学の専門家ではなく、心の専門家だと自分を認識していますが、世界に警鐘を鳴らしたいと思っている事があります。それは、心理学を悪用しないで欲しいという事です。

エゴに支配された人たちは自分さえ良ければ良いと思っている人が多いです。でも、自分が得をするためにそれなりに努力したり勉強したりする人もいます。そもそもその発想が間違いなのですが、彼らはそれに気付いていません。

どういう事かというとエゴに支配された人たちは、他人を操る心理学や自分が優位になる心理学ばかり勉強するのです。学者が学問として追究するだけならまだしも、それを実践して自分だけ良ければ良いというゴール設定はまさに危険です。

イメージが浮かばないと思うので、有名どころの例を挙げます。

【イエスセットの乱用】
相手に「ノー」と言わせないための心理テクニックの事です。「イエス」と相手が答えそうな質問を繰り返し、タイミングをはかって、自分の要求を頼んで、その流れで、うっかり「イエス」と答えさせる誘導テクニックです。確かに面白いテクニックではありますが、これって場合によっては詐欺ですよね。『うっかり「イエス」と言わせた』ということは、相手の意思が尊重されていないということですから。相手が違和感に気付いても「さっき、『イエス』って言ったよね?」と言われてしまうと、それこそ、また「イエス」と答えざるを得なくなり立場が悪くなってしまいます。商談でもデートの約束でも、誘導で「イエス」と言わせて本当に『win-win』『happy-happy』になれるでしょうか。本当にイヤなら「ノー」と言うだろうと反論する人もいるかもしれません。確かにその通りですが反論する余地を与える気があるのであれば、そもそも誘導する必要などないのです。

『イエスセット』は、何度か相手に「イエス」と繰り返させる必要がありますが、実はもっと簡単に誘導できる方法もあります。これは本当に悪質だと思います。それは…。

「今日(または特定の日)、空いてる?」という質問です。「イエス」と答えたら最後。相手の言い分が著しく拒否しにくくなります。

相手は満面の笑みを浮かべながら「よかった!実はさ、引っ越し手伝って欲しいと思ってたんだ!」とか、唐突な要求をして勝手に交渉成立にしてしまうのです。

ここで「やっぱり、ちょっと…」等と断ろうとしても「空いてるって言ったよね?」と、それこそ『イエスセット』に誘導して来ます。ハッキリと「今、引越しの手伝いをする程、体力なくて。ゴメンね…」とか「そういうのは、プロにお願いした方が良いと思うよ」と言うと、「キミって冷たい人だね…」と、何故か悪者にされてしまうのです。

もちろん断る方法はありますが、人間は唐突過ぎる事を言われると、瞬間的に混乱します。混乱すると判断力が鈍るので、何となく相手のペースに誘導されてしまうので「単純に考えれば素直に断れば良いよね」と簡単に行くモノではないのです。

もちろん僕は、その手の人間とは関わりたくないので、その段階で縁を切ります。皮肉なことにこのテクニックは経験を重ねると成功率が上がるので、なまじ成功体験を積んでしまうと、そのテクニックを意識せずに使う習慣さえできてしまいかねません。そうなると、完全に信用できません。

相手の気持ちを考えず、相手の心を自分のエゴを満たすためだけに操ろうとする人は心から軽蔑します。

そうではなく、お互いが幸せになれるような、そんな『心の豊かさあふれた時代』を目指しましょう。