【よりよい対処方法をみつける(後半)】ディーパック・チョプラ博士~ルーティンを超越する・後編~

「意識的なライフスタイル」~PART.5

意識的な人生は内面の形成から

どんな種類の対処方法を用いるかによって、あなたの人生がどのようなものになるかが、大きく影響されることでしょう。もし意識的な人生を送りたいのなら、自滅的な行動はとるべきではありません。ほとんどの人が仕事ではより上手に時間管理を行いたいと思っています。プロのコンサルタントの世界ではなおさら広く浸透している事実です。しかし、これは外的な解決法であり、全体を俯瞰して見ると正しくない方法なのです。仕事というのは、労働時間として割り当てられた全ての時間を埋め尽くします。ゆえに、何百万という人々が、ただ時間が足りなくなるだけでなく、心理面においてもプレッシャーを感じ、時間に囚われ、ストレスで疲れ切り、不安定になるわけです。どれほど懸命に働こうと、やるべきことは常にもっと出てくるものなのです。

意識的な人生は、内面から形成されます。ちょっと歩みを休め、仕事においてどう感じたいと思っているのか、自問してみてください。前回の記事では、仕事でうまく対処するための指標を提示しました。
• リラックスしていること
• 面白みを感じていること
• 楽しんでやること
• プレッシャーを感じないこと
• 自分をゴールに導くステップを味わっていること
• プロセスに熱中していること
• 集中すると同時に自分の中心にとどまっていること

こうしたことは、あなたの対処方法を変えるという、意識的なプロセスを通してのみ実現されます。あなたが自問する必要のある質問はシンプルです。上記の一覧の各項目を一つずつ見て、「私は本当にそう感じているだろうか?」と検証するのです。

もしそのように感じていないのなら、あなたは目標に向かって前進しているとはいえないでしょう。あなたは仕事に乗っ取られ、自分が成し遂げることができる物事のために、自分が何者であるかを犠牲にしてしまっているのです。この二つは同時に成り立つべきことです。意識的に生きることによって、それが可能となります。成功を手にした人の多くは、競争や締切、時間管理にまつわる問題、その他もろもろのストレスにどっぷりと浸かっています。しかし、あなたがその大変さを外的なもののせいにした途端、それらが優位になってしまうのです。あなたが内的に変化するときこそ、外的なものも変化します。これこそが真実なのです。

人生とは内面から満たされるものである

もしあなたがこの真実を受け入れることができるならば、前進する道が示されます。あなたのエネルギーを、自分の内側に向けてください。そうすればするほど、自分のゆるぎない中心を見出すことができるようになります。この先あなたは、自分がいかに感じるか、直感がどう語りかけてくるか、他の人たちがどのように対応するか、あなたの限界とはどんなものなのか、といったことに価値を置き始めることでしょう。最も成功を収めている人々は、すでにそうした地点に到達しているのです。彼らが頂点にのぼりつめることができたのは、いわゆる「成功する習慣」のお蔭ではありません。それは自分の中心にとどまり、意識的であり、そして安心した状態でいられたからなのです。

人生は内面から満たされるものだと一度決めてしまえば、あなたの全知覚が変化し始めます。それは、世界が足早に過ぎて行く中で、あなただけ競争から降りて、ゆったりくつろぎ、カクテルを飲む、ということではありません。もし真に集中するならば、あなたが望むことと、そこへ到達する方法との距離が縮まることでしょう。これは、解決法を知っていることと、解決法を見出そうと必死に探し回ることとの違いなのです。知っているということは、内的な資質です。もちろん外的な情報も用いますが、重要なのは内側のプロセスなのです――そのゴールは、正しい選択をすることができる状況を作り出すことです。

悪い決断をする生態学と、よい決断をする生態学の間には大きな違いがあります。次回の投稿では、決断を悪い方向に向かわせるようなものごとを避ける方法についてお話ししたいと思います。なぜなら、究極的には、あなたの対処法は、実りある結果をもたらすものでなければならないからです。
(次号へ続く)

ディーパック・チョプラ

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