海猫屋の「不思議なことなどなにもない!」パワー系ヒーラーってなんなのさ?! PART.3

越えてはいけない、と思っていたけれど……

私は元々ストレートに物を言うタイプです。そのストレートさから相手を威圧して怖がらせたり、図星によって激怒されることばかりでした。そんな自分がイヤで、しかしそんな自分をどう扱っていいかわからず、ある時期から長いこと誰とも話しをしなくていいよう引きこもっていたのです。
だのに宇宙人やら天使やらによって、無理矢理、人とたくさん会話をするはめに……

リーディングを始めた当初は自分の発する言葉にいつもビクビクしていました。天使のメッセージというからには、どこかで「癒さなければならない」と身構えていたのだと思います。リーディングのあとは、妙な気遣いでヘトヘトになっていたほどです。
そしてなにより警戒していたのは攻性防壁でした。これだけは越えてはいけないもの。そんな風に私のなかで捉えていたのですが……

「防壁の向こう側に視えているものをストレートに言ってしまいたい!防壁をぶち抜きたい!!」

その誘惑(?)欲望(?)に負けてしまうときがやって来ました。
とにかく仕事が忙しくて困るといったクライアントさん。ひとしきり仕事に関する悩みを聞いてはみたものの、防壁の向こう側にはまったく違う悩みがハッキリと視えています。視えている以上、私の言葉選びもいよいよ限界にきていました。

「そもそも遠回しでやんわりした表現なんざ、本来のオマエさんらしくないもんな。」
「別に言ってもいいんじゃね?なに我慢してるわけ?」

ラファエルはニヤニヤ笑っています。ミカエルはもう付き合いきれないといった感じです。
いいのか?いいのか?本当に防壁をぶち抜いてもいいんだなーーーっ!ヨシっ!!

「仕事の悩みだと仰ってますが、私にはアナタが家に帰りたくなくて、自分からわざと仕事を増やしているようにしか視えないんですけど……」

一瞬ビクリとするクライアントさん。このとき、私は相手の防壁を越えたことを感じていました。

「家庭内の不和ですか?それでアナタは家にいたくない……と?」

問題の本質はまさにそこだったのです。反抗期の息子とその態度に激昂してばかりの父親。二人のあいだで板ばさみになっている母であり妻であるクライアントさん。それが苦痛でわざと仕事を増やし、帰宅を遅くする言い訳を自らが作っていたのです。

「でもこのまま逃げていたら問題は解決しませんよね。」

本質に気づくため

ポロリとクライアントさん本人の口からこの言葉が飛び出したとき、私は悩みの半分は解決したことを感じました。
ここからが天使の出番、クライアントさんへ贈る天使からのメッセージ。(私は密かに「飛び道具」と呼んでいます)それは「部屋のなかに花を飾りなさい」というものでした。
それから一週間ほどしてクライアントさんからメールが来ました。花を飾り出してから二人が以前よりも険悪にならなくなったこと、自分も以前よりも気持ちが軽くなったこと。花は単なるきっかけです。重要なのはクライアントさん本人が「逃げても解決しない」と気づき、自ら言葉として発したことにあるのだと思いました。

「本人が本質に気づくためなら壁をぶっ壊してもいいってことかな?なんにせよ、別に癒そうとしなくてもいいんだ。だって私はヒーラーでもセラピストでもないし、どっちになれないんだから。あ!だったら最初から『私は癒しません』って謳っておけばいいんじゃない?!」
癒さないリーディング、癒さないメッセージ。そんな私を選ぶも選ばないもクライアントさん次第!それでいいじゃないか、と。
そしてある日こう言われたのです……

「海猫屋さんってパワー系ヒーラーだよね!」

なんじゃそりゃ???

(PART.4へ続く)