【よりよい対処方法をみつける】ディーパック・チョプラ博士~ルーティンを超越する・後編~

「意識的なライフスタイル」~PART.4

明晰な気づきを得るために

意識的でいるためには気づきが必要です。そしてその気づきは、できる限り明晰なものでなくてはなりません。もしその気づきがルーティンワークによって鈍ると、明晰さを失います。このことについては、過去二回の投稿で説明しました。私たちの日常生活において、意識的でいることを妨げる第二の障害は、限られた対処能力です。日常生活は、危機に支配されているわけではありません。私たちの時間を(そして意識を)無駄に使うのは、絶え間なく流れてくるちょっとした問題や、要求、義務などの終わりなき流れなのです。

よりよい対処能力は、あなたにより多くの考える時間と、よりよい考え方をするための心的余裕を与えてくれるでしょう。

日々のプレッシャーに圧倒されてしまう主な理由は以下のようなことです。

責任を背負いすぎること
•過度にコントロールしようとすること
•細かいところまで指示しすぎること
•うまくできるか不安になること――間違えるのではないかと心配すること
•小さなことを、大げさに扱うこと
•完璧主義
•自分に対する過度な要求
•非効率な時間配分

上記は対処方法には見えないかもしれませんが、実際は対処方法なのです。それぞれがストレスとプレッシャーに対処するための反応です。例えば、あなたの大好きな趣味にどうアプローチするか考えてみてください。プレッシャーはありません。細かいところまで指示することもなく、コントロールしすぎることもなく、過剰な要求をすることもありません(ここでは、ストレスを家に持ち込んだり、すべてがうまくいっているかのように振る舞うような人々のことは脇へおいておきましょう)。もし、仕事への対処方法と趣味への対処方法を区別することができるなら、意識的に生きる道へ一歩進んだことになります。あなたは、ものごとを成し遂げるための二つのやり方を身に付けたわけです。

ストレスを招くのは無意識であること

趣味においては、以下のようなやり方でものごとを扱います。
•リラックスしている
•面白みを感じている
•楽しんでいる
•プレッシャーを感じない
•自分をゴールに導くステップを味わっている
•そのプロセスに熱中している
•集中すると同時に自分の中心にとどまっている

コツは、趣味における上記のような態度で仕事にも臨み、誰もがためこんでいるようなストレスいっぱいの状況や要求にも、このような態度を適用することです。週末の野球やヨット競技のような趣味が、仕事と同じぐらいのプレッシャーとなったりストレスとなる可能性も私は認識しています。しかし大事なのは、あなたは二つの異なる意識状態に入れる能力を持っていることを認識することです。一度認識すれば、どちらの状態にあるべきか選ぶことができるようになります。仕事が、あなたにストレスだらけの状況を強いるのではありません。無意識でいることがストレスを招くのです。

異なるスタイルの対処方法を採用することによって、意識的になるためのステップがあります。それについては、次回の投稿で詳しくみていきますが、それは、これまでに仕事上の成功にも個人的な幸福にも害を及ぼすようなやり方で、ストレスに対処してきた人たちにとっても、役立つものになることでしょう。
(続く)

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