伝心の法則~ある偉大な老人の教え Part.14 幻想の仏に心を奪われるな

伝心の法則~ある偉大な老人の教え Part.14 幻想の仏に心を奪われるな

仏教的アドヴァイタ

人が亡くなるときに、色・受・想・行・識は空であり、地・水・火・風には自我は存在せず、本質の心は、形もなく、来ることも去ることもなく、生まれたときに宿ったわけでも、死ぬ時に離れるわけでもないと気づけば、安らぎと静寂の中で、本質の心と外的対象は一つになるだろう。

このようにダイレクトに悟れば、過去・現在・未来のカルマに縛られることなく、解脱をした人となる。
そこに少しでも、計らいがあってはいけない。

もし美しい仏たちがやってきて、ありがたい姿を見せても、心を奪われて一緒について行こうとは思わないだろう。
もし悪魔たちがやってきても、恐れることもないだろう。

ただ自分の心を滅し、至高の世界に同調すれば、自由の身となる。これが重要なポイントである。

(日本語訳は、「伝心法要・宛陵録」入矢義高著 筑摩書房刊 を参考にさせて頂きます)

〔解説〕

亡くなるときに、脳の認識作用には実体がなく、肉体の要素には自我もなく、魂の本質的な部分は不滅であると気付けば、すべてが一体であり、すべてが神の境地になるだろう、と希運は言っているのだと思います。

仏や神々に従う必要もなく、悪魔に怯える必要もなく、それらは幻想であって、そういうイメージを滅し、本質の至高なる世界に同調していけば、本当の自由=解脱に至るということだと思います。

神智学で言えば、神や仏がいる天界というのは、アストラル界の低い階層から高い階層と、メンタル界の低い階層になります。そして、アストラル界の階層というのは、グラマーの世界と言って、幻想や妄想の世界です。

そこには無限の空間があり、人間のイメージが作ったあらゆる神や仏がいるのですが、結局それらは人類の集合無意識の産物であり、この物理の世界と同じように、人間の認識作用が作り出している幻想なのです。特に、チャネリングなどの情報のほとんどは、アストラル界の第5亜層という領域と同調して得ている情報だそうです。

黄檗希運は、このようなアストラル界の情報に惑わされることなく、ダイレクトに仏そのものを悟ることを伝えています。決して、幻想に心を奪われてはいけないということを戒めているのです。