「困難は、生命のパワーアップにつながる」ホリスティック医学の日本代表・帯津良一先生インタビューPART.1

ホリスティック医学を実践する、がん治療の第一人者である、帯津三敬病院名誉院長・帯津良一先生。9月開催のイベント「健康生活フェア」にご出演予定です! TrinityWEBでは、講演に先駆け、帯津先生にお話を伺って参りました!

健康とは
ダイナミズムとダンディズムの統合

編集部(以下編):健康とはどのような状態なのでしょうか。

帯津先生(以下帯):健康とはダイナミズムとダンディズムの統合であるということをテーマに、最近はお話しています。
ダイナミズムは生命の躍動。ダンディズムは粋であること。

ただ長生きしていたってしょうがない。人間は生きている限りは粋でないと。
貝原益軒※1が、そういうことをよく語っています。
ダイナミズムは、ベルクソン※2の語る「生命の躍動」なんですよ。生命の本質というのは躍動するものだそうです。前へ前へと押し出していく。それがないと確かに健康とは言えないでしょう。人間ドックの数値が正常かどうかだけではないのです。

編:多くの人は、健康のために健康診断や人間ドックを受けて、数値を気にしますよね。

帯:人間ドックの値が正常値でなくても、元気な人はいっぱいいますからね。数値よりも躍動するものがあるということが大事。正常値ばかりだからって、そこで喜んでもしょうがない。その時の一時的な値だからね。むしろ、「この人元気があるな~」って思えるほうが健康。

※1貝原益軒…江戸時代の儒学者で「養生訓」の著者
※2ベルクソン…1859年生まれのフランスの哲学者

病という困難を乗り越えることが
生命のパワーアップにつながる

編:高齢化社会を思うと、病院の病床もどんどん満員になるわけですから、健康でいることを心がける人も多いと思われます。

帯:生老病死というくらいだから、病気にも意味があるのです。病気は生きていく上での一つの困難ですから。その困難を乗り越えることが、生命のパワーアップにつながるわけです。ですから病気がまったくないのもおかしい。多少の困難はあったほうがいいわけですね。それが目の前に来た時には、あるがままでいることがいいんですよ。

編:思わぬ怪我なども、病と同じように意味がありますか。

帯:天災も含めてですが、事故は避けられるものだと思います。私の場合は、「今日はやばいな」と感じた時は地下鉄に乗らないとかね。もし地震がきたら、地下で死ぬよりは、空が見える所で死んだ方がいいから。すると、もちろんカンは外れるわけですよ。だけど私はなるべく地下鉄には乗らないし。

先日も、函館から飛行機で帰ってくる時に大雨になって、到着時間になっても降りられなかったんです。やっと到着して、羽田空港からモノレールに乗ろうとしたけれど、“こういう時はロクなことがない”と感じて、タクシーに乗りました。その運転手さんが近道に詳しくて、次の予定にもあっという間に着くことができたんです。そのようなカンがあれば、あまり大怪我もしないで済むと思うのです。

~続く~

【帯津先生のお勧め!「通勤電車の中でできる呼吸法」】
「通勤電車の中で呼吸法をおこなっています」という声も、ときおり耳にします。たしかに居眠りしているより、呼吸法をするほうが頭も冴え、はるかに有意義な時間が過ごせます。

1
座った姿勢で肩の力を抜き、上半身を上へ伸ばすようにしながらスーッと息を吸う。

2
今度は上半身の力を抜いて骨盤のところにスーッとおろしながら息を吐いていく。
吐くときはシリンダーが落ちていくような感じでスーッと落とす。みぞおちがやわらかくなって、上半身が下半身の中にぐにゃぐにゃのめりこんでいくような感じが理想。

帯津良一著「からだが整う呼吸法」(大和書房)より抜粋

<プロフィール>
帯津良一先生
帯津三敬病院 名誉院長。1936年生まれ。東京大学医学部卒。ホリスティック医学を実践するがん診療の第一人者。日本ホリスティック医学協会会長。
取材協力:帯津三敬病院 http://www.obitsusankei.or.jp/

<information>
帯津先生が、9月開催「健康生活フェア」にご出演決定!講演を行います!

【日時】9/21(日)15:00~16:00
【場所】パシフィコ横浜 健康生活フェア会場内
詳しくはコチラ>>健康生活フェア
http://www.healthylifefair.net/2014_yokohama/