野球を通して感じた日米の違い、そして日本の強み~田口壮氏『野球と余談とベースボール』

アメリカで感じた日米の違い
野球選手の目で見る両国の比較

文才に注目が集まる元メジャーリーガー・田口壮。ファン待望の現役引退後初の著書『野球と余談とベースボール』が今話題になっています!

本書は、昨年20年間のプロ野球選手生活にピリオドを打ち、現在は野球解説者として活躍する田口壮さんの引退後初の著書です。

引退してまだ1年も経っていない田口さんの身体には、日本のプロ野球界とアメリカのメジャーリーグで抱いた現役選手としての様々な感覚や感情が、今なお染み付いています。その感覚が新鮮なうちに自身の想いを日本球界とファンに届けるために本書を執筆しました。

田口さんは、現役中に毎日更新していたブログの面白さが人気を呼び、ファンの間では“日記職人”との異名を取っていました。ブログをもとにしたエッセイ集も発売され高く評価されるなど、以前からその文才に注目が集まっています。

本書では、田口さんの文章の大きな魅力であるわかりやすく軽妙な文体で、自身の経験をもとに日米野球の比較を語っていきます。時折クスっと笑えるエピソードを挟みながら、開幕を控えたワールドベースボールクラシックの見どころや日本人選手のメジャー流出についての見解、日米での契約の違い、プレーの比較、日本の野球界をもっと盛り上げるためのアイデアなど、話題は多岐に渡ります。

また、「伝えるべきは、野球そのものだけではなく、国によって違う、野球を取り巻く文化や環境、言葉や人間たちの息遣いだと思いました」と語る田口さんが、アメリカ生活の中で感じた日本とアメリカの文化の違いを“余談”として多く収めており、野球好きの方はもちろん、野球に詳しくない読者の方でも日米文化論として楽しめる内容です。

本書「はじめに」より ――

「日本野球の枠の中で生きてきた僕が、メジャーに挑戦するために海を渡ったことで、見えるものの幅は大きく広がりました。世界最高峰の野球には、世界各国からベースボールの猛者たちが集まっていたからです。世界各国から人が集まると、世界各国のお国柄も見えてきます。言葉も様々だし、同じ野球をやっているはずなのに、どこか違う野球を見ることができます。世界は野球であふれていました。同時に、メジャーを経験したからこそ、日本のプロ野球が世界に誇りうるべきもの、という確信も持てました。

まだ引退して1年も経っていない野球解説者。現役選手の時に抱いたいろいろな感覚や感情が、いまもこの身体にしみついています。でも、この現役選手特有の感覚や感情は、これから年が経つにつれ、少しずつ失われていくことでしょう。プロ野球選手「田口壮」は、紆余曲折の野球人生を、日本とアメリカで送りました。新鮮なものを、新鮮なままにお届けするのが、日本球界、ファンへの「お返し」です。「えーと、どうやったっけ?」などと頭を抱えたくないのです。だから、この本をいま、書かせていただくことにしました。」

■ 田口壮(たぐち・そう)さんプロフィール
1969年生まれ、兵庫県西宮市出身。
関西学院大学時代、通算123安打のリーグ記録を樹立。この記録は現在でも破られていない。1991年遊撃手としてドラフト1位でオリックス・ブルーウェーブに入団。3年目には外野手に転向し、1995年、1996年のリーグ連覇(1996年は日本一)に貢献した。ゴールデングラブ賞5度、ベストナイン1度を獲得。
2002年FA宣言し、メジャーリーグ、セントルイス・カージナルスに入団。6年間在籍したのち、フィラデルフィア・フィリーズ、シカゴ・カブスでプレーした。メジャーでの8年間で、 ワールドシリーズに3回出場し、 2006年(セントルイス)、2008年(フィラデルフィア)ではワールドチャンピオンに輝く。
2010年日本球界に復帰(オリックス・バファローズ)。2012年は自由契約となり、肩の手術後リハビリを続けながら現役復帰を目指すも、7月31日を以って引退を表明し現役生活に幕を下ろした。著書に『何苦楚日記』(主婦と生活社)、『脇役力』(PHP新書)、『タグバナ。』(世界文化社)がある。趣味は料理とアウトドア。ホリプロ所属。
(田口壮オフィシャルブログ:http://taguchiso.blogspot.jp )

『野球と余談とベースボール』
著者:田口壮
定価:893円(税込)
出版:マイナビ