ココロセラピストが語る!「心の病を悪化させる人たち」の特徴とは?

「心の病気」を今一度考える

心の病が深刻な時代がずっと続いています。
20世紀の頃は、21世紀になったら、今よりもずっと、みんなが笑顔で暮らせる時代になっているはずと信じて疑わなかった人たちも多いと思います。僕も子供の頃は、「21世紀は、どんな問題も簡単に解決できてしまう、素晴らしい世界が待っている」と思っていました。

しかし、気が付けば時代は確かに進歩したのかもしれませんが、退化しているような気がしないでもありませんし、悪化している気がしないでもありません。それは物質的な問題だけではなく、特に『心』に対して、それを感じています。

だからと言って、悲観的になっていても仕方がありません。愚痴なら誰でも言えますが、大事なのは未来をどのように想い描くかだと思っています。その為には、今この瞬間という時間を大切にしなければなりません。

今、巷には『心の病』が蔓延しています。社会が悪い、政治が悪い、と言いだせばキリがありませんが、ちょっとした注意で心の病をこれ以上広めないことが出来るのではないかと思います。

様々な業界の方々が「癒しとは何なのか?」「健康とは何なのか?」「心とは何なのか?」と考えているわけですが、今回は、「それ以外の方」にフォーカスして考えてみたいと思います。

心の病が生きて行く上でとてもネックになる事は、誰もが知っています。どこまで改善できるかはさておき、僕たちの中には知らず知らずに自分がウツの人たちに悪影響を与えてしまっている事がたくさんあります。今から、知らずに使っているかもしれないセリフをピックアップして行きますので一緒に見て行きましょう。

「ウツでもいいんだよ……」

病気を否定しない。病気を受け入れる。それは大切なことかもしれません。ただ、安易にこのセリフを使うと危険です。どんなに慈愛に満ちた笑顔で諭すように言っても危険です。というのも、問題なのは「ウツが良いか悪いか?」ではないからです。

当事者たちは、それどころではないのです。おそらく、彼らの殆どは「そんな事言って、結局は私たちを腫れ物に触るように接したりするじゃない!」と余計に惨めな気持ちになると思います。この「ウツでもいいんだよ」というセリフは、本当はウツ当事者に対してではなく、病気ではない人が自分自身に言ってあげた方が良いのです。「ウツだっていいんだよ。差別せず否定せず、可能か限り共存できるように、自分自身はどうしたらいいのだろう?」と謙虚な気持ちでいることの方が変な助言よりも余程嬉しいと思います。

「今の時代、ウツってたくさんいるからそう珍しいものじゃない。大丈夫だよ」

ちょっと待って下さい。ウツが珍しい病気ではないから怖がる必要は無いという意味だと思うのですが、これは危機感が無さすぎます。学校にも会社にも、近所にも身内にもウツが蔓延して本当に大丈夫だと言い切れるのでしょうか。身近にウツの人がいたらわかると思うのですが、本人は生きている事さえイヤになるほど心の底から辛いのです。ちっとも大丈夫ではありません。カウンセリングでさえ、まだまだ一般的とは言い難く、ウツという言葉だけが独り歩きしていますが、対策は一向に知られていない。これは危機的状況です。

ウツの人が悪いというわけでは無くて、国内外にウツが増えていることが問題なのです。ウツを改善する方法を研究する事も大事ですが、同時に、世の中からウツをこれ以上増やさないようにする重要性を忘れては決してならないのです。「大丈夫」を強調したいのであれば「ウツはただ事では無いよね。一緒にウツが軽減したり、これ以上ウツの人が増えないように支え合って行こうね。如何なる事があっても私がついているから大丈夫だよ」くらいの気持ちで接してあげて下さい。

「ウツは脳の病気だから薬を飲めば治るよ」

これは、本当に言い方が微妙です。ウツというのは「うつ病」と呼ばれるものと「うつ状態」と呼ばれるものがあるのですが、後者は病気ではありません。まず、その時点で「脳の障害者」に仕立て上げられてしまっては泣くしかありません。しかも僕の知識が足りないだけかもしれませんが、セロトニンやドーパミンをどうこうすれば本当によくなるのか等、謎は多々あります。特に医療従事者でも何でもない人が安易にこの言葉を使うと大問題です。人によっては「脳の病気と決めつけられてしまうぐらいなら怠け病と呼ばれていた方がマシだった」などと思う方もいるかもしれません。本当のところはどうであれ、相手がどう受け取るであろうかを、注意しないと本当に危険です。

いかがだったでしょうか。他にもまだまだ危険なセリフがありますが、私たちが、普段安易に使っている言葉がウツの人を傷つけている。そんな悲しい事はありません。私たちが、よりモラルを意識する事で、心の病は若干ではあっても軽減する。少なくとも悪化しにくくなるのではないかと思うのです。