平凡な主婦が起こした、巨額横領事件。彼女は何を手に入れ、何を手放したのか……。『紙の月』

何故、平凡な主婦が横領事件を起こしたのか…?

2011年に映画化され絶賛を浴びた「八日目の蝉」をはじめ、女性層に抜群の信頼性と人気を誇る直木賞作家、角田光代の長編小説「紙の月」。第25回柴田錬三郎賞を受賞した本作はすでにベストセラーとなり、2014年1月にはNHKでドラマ化され、大きな話題を呼びました。

この原作を、昨年の日本アカデミー最優秀作品賞他各賞を受賞した傑作「桐島、部活やめるってよ」を送り出し、次回作が待望されていた鬼才、吉田大八監督がメガホンをとり、満を持しての映画化。一人の女性が、聖と悪の両面を抱えながら墜ちていく様を、その独特の映像センスとテクニックを駆使し、スピード感をもってスリリングに描き出します。

主人公・梅澤梨花を演じるのは、今や日本を代表するトップ女優として舞台・映画・テレビと八面六臂の活躍を見せる宮沢りえ。2007年の「オリヲン座からの招待状」以来、7年ぶりとなる映画主演作です。相手役となる年下の男・光太には、近年活躍が目覚ましい若手実力派の池松壮亮(いけまつ・そうすけ)。吉田監督が「繊細な表情のやりとりと、大胆な肉体のぶつかり合い、その振れ幅で観客の皆さんを気持ちよく振り回したいです。」と意欲的に語る、最高のキャスティングが実現しました。

さらに、梨花の勤めるわかば銀行の先輩事務員・隅より子を小林聡美が演じます。一切のミスを許さず、厳格に仕事に向き合う隅の存在は、横領に手を染めていく梨花に対して、強烈なプレッシャーを発し、梨花と隅の対峙が、物語に緊張と深みを与えてくれます。

原作・角田光代×監督・吉田大八×主演・宮沢りえ、日本映画界最高峰のコラボレーションで仕掛けるノンストップ・サスペンス。世間を挑発する極上のエンターテインメント作品が、ついに立ち上がります。

年下の男性との出会いが、日常を変えていく…

バブル崩壊直後の1994年。夫と二人暮らしの主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事をしている。気配りや丁寧な仕事ぶりが上司や顧客に評価され、何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だったが、自分への関心が薄い夫との間には、空虚感が漂いはじめていた。

そんなある日、梨花は年下の大学生・光太と出会う。光太と過ごすうちに、ついに顧客の預金に手をつけてしまう梨花。最初はたった1万円を借りたつもりだけだったが、次第に金銭感覚と日常が少しずつ歪みだし……。

『紙の月』
2014年11月15日(土)公開
http://www.kaminotsuki.jp/
(C)「紙の月」製作委員会

原作:「紙の月」(角田光代・角川春樹事務所刊/第25回柴田錬三郎賞受賞)
監督:吉田大八(『桐島、部活やめるってよ』『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』)
脚本:早船歌江子(『ラッキーセブン』『未来日記』)
制作プロダクション:ROBOT
配給:松竹
出演:宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美