男性脳と女性脳の違い?~「なんでもいいよ」あるがままのあなたを受け入れ……る?

実はとっても危険?「なんでもいいよ」の落とし穴

「あるがままのあなたの意思を尊重し受け入れる覚悟はできているわ!」と、海外ドラマのセリフをも連想させる言葉、「なんでもいいよ」。この言葉……実はとってもややこしいですね。

デートの最中や友達同士でのランチの場面。この言葉を使ってしまったがために、ちょっとした気まずい空気が立ち込めてきたことはありませんか。何の悪意も無いのに、「なんでもいいよ」ということばを使ってしまったがために人間関係に大きな影響を与えてしまった……。もしかしたら、そんな方も少なくないかもしれません。

しかし何故、この「なんでもいいよ」がそれほどまでに危険なワードと化してしまったのか。今回は、それについて一緒に考えて行きましょう。

彼女:お腹空かない?
彼氏:え……別に。
彼女:じゃあいいよ!(プンプン)
彼氏:(えええっ!?)あ…やっぱりお腹空いて来たよね。そろそろお昼だし……。何か食べに行こうか。何食べたい?
彼女:なんでもいいよ。
彼氏:そっか。じゃあさ、牛丼食べに行かない?
彼女:牛丼~?なんかさ、そう重い物じゃない方が良くない?
彼氏:(「なんでもいいよ」って言わなかったっけ?)そう?じゃあ、カフェはどう?
彼女:え~!ランチなのにカフェ?軽食じゃなくてさ……。
彼氏:(「なんでもいいよ」って確かに言ったよね?)じゃあ、どんなのが良いかな?
彼女:なんでもいいよ。
彼氏:(ほら!また言った!今度こそ確実に聞いたぞ!)。そう……でも、牛丼とカフェ以外が良いんだよね?
彼女:うん。そういう気分じゃないからね。
彼氏:(「そういう気分」って何だ!?)じゃあ、ラーメンとかの気分?
彼女:うーん。ニンニクの臭いつくとイヤだしな~。

~しばらくこの手の会話が続く~

彼氏:あのさ。キミって優柔不断とか……よく言われない?
彼女:酷い!失礼!無礼!最低!

と、このようなシチュエーションってよくありますよね。最後のセリフは余程ひどくなければ言われないとは思いますが……。

そうです。これって、ちっとも「なんでもよくない」のです。
食べ物に限らず会う約束(アポ)の時も「いつでもいいよ」と言いながら「いつでもよくない」人っていますよね。

「なんでもいい」が意味しているものは…?

まずこれ、男女差があるのをご存知でしょうか。
脳の構造の違いも関係するのですが、男性の場合は、文字通り「なんでもいい」を受け取ってしまいます。男性の場合は、その「なんでもいい」ということばを「俺に主導権を握らせてくれたんだな」と解釈するのです。だから、あからさまに女性が苦手な食べ物でなければ差し支えないだろうと考える傾向があります。

一方、女性が複雑なのです。
ものすごく極端に言えば、「私を察して!」、「私に対して気を使って!」という隠語として使われる場合があるのです。とはいえ、確信犯で、そういう意味合いで使っているわけではなく、ほぼ無意識なので悪意はありません。あるいは自分の好みとか、性格とか、どのくらい把握してくれているのかを試しているという場合もあります。

このくらいなら、まだ良いですが、ちょっと性格が悪い人の場合は「選択によるリスクの責任を相手のせいにしたい」という「保身」のためというか、保険がわりに相手に「言わせる」という意図で使う人も稀にいます。さすがにそこまでの人はあまりいないと思いますが、もし、そういう女性の知り合いがいたら厄介かもしれません。

そんなわけで、男性は「なんでもいい」に別の意味合いがある場合はものすごく混乱します。
会社で「キミはいちいち説明しなければ自分で動けないのかね?」とパワハラ上司にいびられて暗黙ルール(「俺が喜ぶ対応をしろ!」)を叩きこまれているような悲しい気持ちになるかもしれません。

もしかしたら恋愛系の特集記事には、「男性は女性が好みそうなお店を予習しておきましょう」と、お店のリストがいっぱい載っているようなものもあるかもしれません。ただ、それはそれで良いと思いますが、男性と女性は「なんでもいい」のニュアンスが異なっていると言う情報を、お互いに共有してこそ、コミュニケーションは成立すると思います。

男性でも女性でも、特に希望が無ければ選択肢を作って提案するのが無難かもしれません。男性は言葉を文字通り受け取り、女性は「なんでもいい」の意味合いが微妙に異なる。これは、お互いが知っていた方が良いのです。もし、カップルに限らず、男女が集まる機会があったら、その時にでもこの話をしてあげて下さい。

ただし、これは全員に当てはまるわけではありません。最近では「なんでもいいけどなんでもよくない男子」や「ハッキリ女子」も増えてきたようです。
結局、何が良いとか、悪いとかでなく、コミュニケーションで一番大切なのは、「相手を思いやる気持ち」なんですよね。そのことを忘れないようにしたいものですね。