心理セラピストが語る!「私はあなたで、あなたは私?」~悩んでいるのは誰?~

心理セラピストが語る!「私はあなたで、あなたは私?」~悩んでいるのは誰?~

使う言葉のイメージと心理的影響とは?

人はみんな大なり小なり悩みを持っています。僕も毎日ではありませんが、悩んで凹んでいる事もあります。心理セラピストだって悩む時は悩みます。まったく悩みが無い人が存在するとすれば、それはそれで不気味な気もします。

悩みを軽減する方法はいくつかあるのですが、少しだけ紹介したいと思います。
これは、「悩みの認識を変える方法」です。

ところで『悩み』というとどういうイメージでしょうか?
悶々とした何かがずっしりと体にのしかかったような不快な、苦しい感じがしませんでしょうか。頭や肩がだるくなって来るようなイメージがあるのではないかと思います。

そこで、『悩み』という言葉を『問題』と置き換えてみて下さい。
何か違った感じがしませんか。

試しに実験してみましょう。
「私は悩みを抱えている」と3回繰り返してみて下さい。そうしましたら、その時の気分をしばらく感じてみてください。悩んでいる気分です。次に「私には問題がある」と3回繰り返してみて下さい。先ほどと同様に、その時の気分をしばらく感じてみて下さい。

いかがでしたでしょうか。
『悩み』という言葉の時よりも『問題』という言葉を使った時の方が、気分が少しだけ軽くなった気持ちがしませんでしたか。今、「軽くなった」という言葉を使いました。改めて考えると、言葉には重さがあるのかと思ったかもしれません。これは、「使う言葉のイメージによって心理的影響が出て来る」ということなのです。

『悩み』と言うと何となくですが、ネガティブな感情イメージが付随して来ますよね。それを『問題』という言葉に置き換えることで、そのネガティブな感情イメージが、無機質的なイメージに変わるのです。

実際に問題が言葉によって解決するわけではありませんが、どんよりと沈みきった気分でストレスまみれになって何かに取り組むより、客観的かつ冷静に何かに取り組んだ方が圧倒的に楽ですよね。以上、悩み軽減法でした。

さて。今度は、少しだけややこしい話をします。
たまに「息子が悩んでいるみたいで……」とか「友達が悩んでいて……」と相談して来る人がいます。ところが、よくよく話を聞いてみると、本当に悩んでいるのは息子や友達では無くて自分自身だったということがわかって来る場合も少なくありません。確かに、息子さんもお友達も悩んでいるのかもしれません。しかし、よくよく考えると、そのことについて自分が悩んでいるわけですよね。

たとえば「息子が先生に叱られてばかりで凹んでいるようで……」というような話だったとします。一見すると息子さんが凹んでいる事が気の毒なのかなと思いきや、実はお母さん自身が、先生に息子が叱られてばかりいることに対して悩んでいたりするんです。

仮に僕が息子さんのカウンセリングをしたとして「先生に叱られたからって凹む必要ないよね!前向きに生きるよ!」と元気にセッションを終えても、お母さんは納得がいかないかもしれません。始めの言い分であれば、息子さんが凹まなくなれば問題解決という気がしますが、どうやらそうではないのです。本心はお母さん自身のイライラ、つまり息子が先生に叱られないマトモ(?)な子になって欲しい。これが本当の悩みだったりするのです。

「友達が悩んでいて……」も似たような場合があります。本当の本当は、悩んでいる友達を上から目線で応援したり心配したりしている自分に酔っているだけだった…なんていう場合もゼロとは言えないのです。だから、そのお友達の悩みを僕か誰かが解決してしまったら、実は相談者さんが困ってしまうわけです。

どちらのパターンもたとえ話ですので、必ずしもそうではない場合もあります。しかし、「本当は誰の悩みで、本当は何が悩みなの?」ということをわかっていない人って案外多いのです。
「私」と「他の人」がごちゃごちゃになってしまっているのです。

この事に気づくだけでも、かなり楽になりますよ。