追われることで心に深い闇を抱えるふたりの男女の物語~『無花果の森』

絶望の闇におちた男女が織りなす
深く切なく甘美な物語

ミステリーや恋愛小説など数々の著作で賞を受賞し、直木賞作家である小池真理子が、平成23年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した「無花果の森」(日本経済新聞出版社・刊)を完全映画化したのが本映画。

追われることによって心に深い闇を抱えることになった男女が織りなす純粋な愛と哀しみの物語が、様々な人々との人生と交錯しながらも、ある一つの方向へと向かう甘美で切ない感動の物語として完成したのです。

主演には、韓国・日本で人気の音楽グループ「超新星」のリーダーでもあるユナクが、兵役除隊後、初めて単独での映画主演を飾り、これまで見せたことのないハードなラブシーンなどにも果敢に挑戦しています。そして、物語の鍵となるヒロインを演じるのは、2004年、NHK連続テレビ小説『わかば』のヒロインを演じ、一躍国民的スターの座をつかみ、その後テレビドラマだけでなく『イエスタデイズ』や『極道の妻たちNEO』などの映画や舞台でも活躍する原田夏希が演じ、哀しみを抱えながらの愛に生きるヒロインの心情を見事に表現し、高く評価されました。

夫のDVから逃げ出した妻と
雑誌記者

とある音楽ホール近くの道で、雑誌記者のキム・ヨンホ(ユナク)は、一人の女性に名刺を差し出し、その女性を取材する旨を申し入れていた。その女性は、世界的指揮者、新谷吉彦(三浦誠己)の妻・新谷泉(原田夏希)。ヨンホは、新谷吉彦の妻・泉に対するDVをあばこうとしていたのだ。泉は、もちろん、そんな彼を無視するかのように、ヨンホの名刺を握りつぶして立ち去った。しかし、泉は、そのとき既に、夫の暴力には耐える力を失ってしまっていたのである。思い立った彼女は、夫の隙を見て、家を飛び出した。

携帯電話も捨て…、世間からの連絡を一切シャットアウトするべく…、どこに行くというあてもなく…。列車を乗り継いで到着した街は、とてもさびれたある町。そこは、深い闇に閉ざされた泉の存在をも、同じような色に溶け込ませて、消し去ってくれるほどにさびれた町であった。その安堵から、ふと一息つくために入った喫茶店で、一枚の張り紙を見つける。『家政婦募集。住居保障。食事つき。天坊』その張り紙を見つめる泉に、喫茶店店主の吉田(木下ほうか)は告げる。「お勧めできないよ!家政婦なんてテイのいいこと書いていても、介護だよ」と。それでも、泉は、すぐに公衆電話から、その、「天坊」と書かれた連絡先に連絡をする。
結局、泉は、その天坊八重子(江波杏子)と名乗る画家のところで、住込みの家政婦をすることになる。
天坊は、「ワケアリか…?」とひとこと聞いただけで、泉を雇ってくれたのだ。もちろん、泉は、夫から捜索の手が伸びてもわからないように、「高田洋子」という偽名を使ったのだが……。

『無花果の森』
 6月14日(土)よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開!
 ©2014『無花果の森』製作委員会
http://www.bs-tbs.co.jp/ichijiku/

<出演>
キム・ヨンホ   ユナク(超新星)
新谷 泉     原田 夏希
サクラ      小木 茂光
新谷 吉彦    三浦 誠己
橋本 健次    徳井 優
吉田 悠一    木下 ほうか
栗田 千春    MiNo
水沢 なつみ   瀬戸 早妃
大道 ひな    かでな れおん
三浜 作次郎   名高 達男
天坊 八重子   江波 杏子

<スタッフ>
プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ
監督:古厩 智之
原作:小池 真理子「無花果の森」(平成23年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞)(日本経済新聞社・刊)
脚本:林 誠人
製作:宮崎 恭一、小野田 英雄、大崎幹
撮影:清久 素延
照明:三田村 拓
録音:大竹 修二
美術:須坂 文昭
音楽:遠藤 浩二
音楽:大竹 史朗

特別協賛:VanaH(株)
製作・配給:BS-TBS