一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.42 『かみさまとのやくそく~胎内記憶を語る子どもたち』

胎内記憶を語る子どもたちの姿に大感動!
宇宙の意思を感じさせる貴重傑作ドキュメンタリー

私たちが親を選んで生まれてくることや、前世の記憶や胎内記憶を持つ子どもたちがいることは知っていたが、それは知識の部分で知っていることで、実際に胎内記憶や中間生の記憶を語る子どもに出会ったことはない。しかしこの映画は、そういう記憶を持つ子どもたちが何人も出てきて、とうとうと語る。

私は頭のなかにある知識を全肯定された気持ちと驚きで「やっばりそうなんだあ~」と思いながら、ある箇所からこみ上げるものがあり、涙を止めることが出来なかった。泣いていたのは私だけではないようで、あちこちから鼻をすする音が聞こえた。

私がどこで泣き出したかは後述するとして、本作の内容を少し。

胎内記憶を調査・発表する産婦人科医池川明先生の話を中心に、胎内記憶を持つ子どもやその親たちの話がつづられる。

たとえばボタンのついた服が大嫌いで、赤ん坊が近寄ると泣き叫ぶという男の子の前世は、アウシュビッツの収容所で赤ん坊の頃に軍服(ボタンがたくさんついている)を着た男に蹴り殺された、というものだった。彼は赤ん坊の頃に死んでしまったので、今生ではやりたいことをやれるように、先に生まれてきた兄が彼を助ける使命を負って生まれてきた。その兄を追って彼は生まれてきた。もちろん、母親も彼がやりたいことをやらせてくれる母親を彼が選んだのだ。

「人の役に立つために生まれてきた」
お母さんが笑ってくれるだけで幸せ

池川医師は、ほとんどの子どもたちは「人の役に立つために生まれてきた」と言う。
この、「人」というのは「お母さん」である。
それが幼少期にかなえられると、思春期には「人の役に立つ」という自らの生まれてきた使命をかなえるために生き出す。

子どもたちは、お母さんの笑顔が大好きなのだ。自分がいることで母親が笑顔になってくれたらそれだけで嬉しい。そして、ちゃんとそれぞれ使命を持っている。その子どもたちの心や使命をいかに現代の親たちが理解せず、感情的に怒ったり、夢を摘んでいるかと池川さんは憂慮する。ただ親は見守って支えるだけで子どもたちは自らの使命を果たす力を持っていると。

子どもたちがお空の上で生まれる順番を待っている時の絵も出てくるのだが、どの子どもたちも似た絵を描いていて、もう面白くて面白くて目が釘付け状態。

中間生を語る子どもたちに号泣!
その後のインナーチャイルドワークにも涙涙……

そして、ここで中間生の記憶を持つ子どもたちが登場する。三人の十歳くらいの子どもたちは先を争うように自分たちが自死(最初は自死と言う。自殺とも言っていたが)して真っ暗な反省室へ入っていたことを語る。そして、自殺してその時の両親や周りの人に迷惑をかけたから、その時の魂たちへのお土産を持ってまた生まれなおしたと言うのだ。お土産というのは「償い、恩返し」のようなものらしい。

ここで私の涙腺は決壊! 子どもたちが語る魂の記憶……。
私はこの世に存在する、すべてをつかさどる大いなる宇宙の意思というか、仕組みに感動し畏怖の念で一杯になり、ひれ伏すような気持ちでただただ涙が溢れて止まらなかった。
そしてその後、登場する赤ちゃんと話ができるという「たいわ士」の南山みどりさんの「インナーチャイルドワーク」でまた涙ぼろぼろだった。

人は他人には、調子が悪いと聞くと「大丈夫?」と声を掛けたり労わったりするのに、自分にはしない、と南山さんは言う。自分のなかの小さな子どもは、小さい頃に傷ついたまま、その傷が癒えてないとその後の人生をうまく生きられない。自分の中の子どもを愛し、認め、許すことが大切なのだ。
はて、私は自分をいたわっていただろうか?
身体は労わっていたが、心はがんばれっがんばれっと叱咤するばかりで、そのがんばりをねぎらったことがあっただろうか? 褒めていただろうか?……否である。
こんなにがんばっているのに。ごめんね。ごめんね……。もう後は涙である。

神様は見守っていてくれる
だから安心して使命を果たせ!

この映画はどうかたくさんの人に観てもらいたい。
きっと、自分が一体何のためにこの世に生まれてきたのか、思い出すことだろう。そして、自分は生かされている。使命を持っていて、それをやり遂げなければならないと強く思うことだろう。そしてそして、力づけられる、だろう。
ちゃんと宇宙は、神様は見守っていてくれる、と。

『かみさまとのやくそく~胎内記憶を語る子どもたち~』
大阪・シアターセブンにて上映中
http://norio-ogikubo.info/

監督:荻久保則男
出演:池川明、南山みどり、大門正幸、飛谷ユミ子、かがみ知加子
2013年/日本映画/114分/カラー/ワイド
(c)2013 copyright 荻久保則男