『ルーンマスター杉原梨江子 ~北欧の聖なる文字ルーンからの伝言~』 第22回

photos by Rieko Sugihara

あじさいの季節がおとずれました

梅雨に入りましたね。6月生まれのせいか、雨の季節はわりと好きです。地上も、空も、自分の心も浄化されていくようで、気持ちよく過ごします。何よりも嬉しいのは、大好きな紫陽花が美しく色づくこと。このブルー、清らかな花の魂を感じませんか。

紫陽花の花言葉は「移り気」。色が刻一刻と変わっていくことからその名前がついたようですが、じつは素敵な恋物語を秘めているのです。ドイツの植物学者シーボルトは日本の紫陽花を自国に紹介するとき、最も大きな種類の紫陽花に「オタクサ」という名前をつけました。その名前は、彼の恋人であったお滝さんという日本女性の名前からとられたものなのです。彼は「どの紫陽花よりも大きく華やかで、空のような美しい青色」をしたこの花に恋人の面影を見たのでしょう。それでも花言葉は移り気? “純粋な恋、忘れられない恋”を紫陽花の花言葉にしませんか。


星を集めたようなこの花も紫陽花の仲間です。

幸せの実りを約束する、果実のルーン


【果実のルーン/W ウィン】

神秘の力:幸福、喜び、家庭の幸せ、家族愛、願い事が実る、平和な心、自己暗示力

「幸福になる力」を与えてくれる果実のルーン。雨の恵みがなければ、果実はたわわに実らないように、涙を流す悲しい日々もいつか幸福の果実へと成長していきます。そう、このルーン文字はあなたの幸福を約束します。

思い描いてみてください。赤い果実、黄色い果実、紫色の果実……。あなたの人生という大樹に果実がたくさん実っています。その実は大きくてつやつやしています。とても甘くて果汁が口いっぱいに広がります。一緒に食べている人も嬉しそうに笑っています。あなたは大切な人たちと幸せに過ごし、喜びでいっぱいです。

【果実のルーン】が授けてくれるのは平和な心。「真の幸福は、平穏な心を保つ人のところに訪れる」と囁きかけています。調子がよいとき、明るく前進できるのは当たり前。しかし、思いもかけない出来事が起きた時でもあわてることなく、正しい判断をする精神をもたらします。嵐が吹き荒れても、やがて夢の果実を大きく成長させるあなたになれるのです。“自己暗示力”が強いのもこのルーンの特徴です。毎朝ベッドの中で将来実らせたい自分の姿を思い描きましょう。少しずつ少しずつ、あなたの夢という果実が育っていきます。人を思う心も育っていき、家族の幸福、大切な人との幸福も導いてくれますよ。


このルーンを守護するのはベリーたち。ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリー。果実のルーンに願いをかけるときは、ベリーをいっぱい食べると実りの効果がもっと増えていきますよ。写真はこの6月に撮影したもの。樹齢1500年のケヤキ(山形県)の根元に芽吹いた野イチゴです。


異国の女性を忘れられなくて、花の名前に託したシーボルト。その恋人のように、空のように美しい人、涙あふれる時も清らかな魂でいて、愛する喜びを保ち続ける人でいたいものですね。