ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.29~日本人は日焼け止めしすぎ!?

ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.29~日本人は日焼け止めしすぎ!?

紫外線に敏感になり過ぎていませんか?

Hafa adai!
GW明けからグアムに行ってまして、昨日帰ってきました。約1カ月間の滞在。グアムは初めてでしたが暑いとこですね! とにかく暑い! 沖縄に住んでいたこともありますが、沖縄以上の日射しの強さ。日焼け止めを塗っていたのですが、塗り忘れた部分が赤く日焼けしてヒリヒリしてます……。

これから日本も夏に突入しますが、この時期から美容雑誌を賑わすのが美白と紫外線対策。お肌を若く保つために一番のキモとも言えます。なぜなら肌老化の最たる原因が紫外線だからです。

美容雑誌やテレビでは、「美肌のためには紫外線を徹底して避けろ!」と必ず言います。
紫外線対策は雑誌にいくらでも載っていますし、デパート1階の美容部員の方に尋ねていただければいくらでも教えてもらえますので、あえてぼくからお伝えすることはありません。

ぼくがお伝えしなければならないのは、「紫外線を徹底して避けないといけない!」とする風潮についてです。

ぼくは25歳でスパセラピストの学校に入ってお肌のことを勉強してから、日光をかなり意識して避けてきました。お肌にとって紫外線は百害あって一利なしと覚えたからです。日傘も買って直射日光はできるだけ避け、外に出る時はもちろん日焼け止めを塗ってから出ます。ビーチに遊びにいくことはほとんどしませんでした。もともと暑いのは苦手でしたけどね。

当時のぼくなら「紫外線は絶対に避けろ!」と言っていたでしょう。でもその後、睡眠や栄養のことを勉強し始めて、最近になって紫外線に当たることの重要性を認識するようになりました。

赤ちゃんのくる病が増加?

今年5月2日の毎日新聞の記事で、最近幼児のくる病が増えてきていると取り上げられました。くる病は栄養不足の時代に多かった病気で、骨の形成に大切なビタミンDの極端な不足により、骨の変形や成長障害を引き落とし、O脚になりやすいのが特徴です。
これだけの飽食の時代に、どうしてまたこの病気が増え始めているのでしょうか。それは……

1、母乳栄養の推進
2、日光浴不足
3、偏った食事

が原因ではないか、と言われています。乳幼児の成長には胎児のときの栄養状態、そして母乳の栄養の質が大きく影響してきます。つまり母親の栄養状態にかかっているわけですね。母親が偏った食事をしていてビタミンやミネラル、タンパク質が不足していたら、当然乳幼児に必要な栄養も不足します。じゃあなんでビタミンD不足が目立ってきたかというと、それが、日光浴不足が大きく関わってきているわけです。

ビタミンDをつくるには?

ここで日光浴とビタミンDの関係について説明しなければなりません。
だいぶ簡略して説明すると、日光にはさまざまな波長帯の光が含まれていますが、そのなかでぼくも含め、特に美白推進の女性たちが嫌うのが紫外線という波長帯です。

紫外線には肌をこんがり黒く(サンタン)するUVAと、肌を赤く火傷した状態(サンバーン)にするUVBという波長帯があり、これが日焼けからくる乾燥、そしてシミ・シワの大きな原因となっています。そのため美しいお肌のためにはUVA、UVBは徹底して防ぐべし!と日焼け止め(サンプロテクション)というアイテムが活躍するわけです。日焼け止めのコスメにはPA+++とかSPF30とか書いてありますが、PAがUVAを防ぐ指標、SPFがUVBを防ぐ指標です。+や数値が高ければ高いほど紫外線への防御力が高いと思ってください。

サンプロテクションコスメ(日焼け止め)はPAとSPFがたいてい含まれており、サンタンコスメ(キレイに焼く)にはSPFのみ含まれていることがあります。赤く火傷はせずにこんがりキレイに焼くためですね。
ちなみに写真はグアムで購入したサンタンオイル。SPF8と書いてあって、PAは書いてありません。

人間は日光に当たるとビタミンDを体内で生成すると言われますが、そのビタミンD生成に最も必要なのが実はUVBです。
UVBが皮膚に当たるとビタミンDは皮膚内で生成されます。ところがUVBは透過率が悪く、通常の窓ガラスでもほとんど透過しないため、家に中にずっといるとUVBを浴びることがほとんどありません。
そして外に出るときに日焼け止めを塗れば、1日においてUVBを浴びることはほぼなくなります。すなわち体内でビタミンDは生成されなくなります。

短期的にお肌だけの視点(魚の目)で見たら紫外線を完全カットすることは素晴らしいことですが、美容は健康がベースと俯瞰(鳥の目)した場合、これは問題です。

まして最近の美容業界の風潮は「一年中家にいても日焼け止めを付けろ!」ですから、一年を通して体内でビタミンDが生成されることはほぼなくなります。美白を気にする母親は当然自分のこどもにも同じように注意を払いますから、こどももビタミンD不足に陥るわけです。

まあコスメを売りたい立場からすると紫外線はセールスの格好のネタですから、1年中家にいても日焼け止めを付けろというのは業界が作った一種のプロパガンダかもしれないですね。憶測の域を出ませんけどね。

紫外線は避けるべき?浴びるべき?

以上から常にUVBを避けるのは危険だとぼくは考えています。しかし逆にずっとUVBを浴び続けるのも危険です。みなさんご存知のように紫外線は皮膚がんのメインファクター(IARC(国際がん研究機関)の発ガンリスク5段階評価のうち、太陽光暴露は最高レベルのグループ(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類)。極端な日光浴も健康を損ねます。

それじゃあどうするのが良いのでしょうか?

トータルに評価した場合、午前中の適度な日光浴を推奨します。夏は朝でも紫外線が強いので20~30分。冬はもっと長めに。
仕事をしている人は、出勤で外に出ますのでその時に日光に当たりますが、専業主婦などで家にいることが多い人は、朝の早いまだあまり暑くない時間に少しでもテラスや外に出て日光を浴びてください。子どもがいれば子どもと一緒にお散歩で日光浴もいいでしょう。特に女性は、閉経後に骨粗鬆症になりやすくなります。若いときにしっかり強い骨を形成しておく必要があります。なお骨の形成にはビタミンD以外にタンパク質、ビタミンK、カルシウム、マグネシウム、銅など多様な栄養が必要です。

実はビタミンDは風邪、インフルエンザ、アトピーなど免疫にも非常に大きく影響していることがわかっています。日光浴は健康な身体を維持するのに重要だということがわかりますね。

また、日光浴が精神面や睡眠、そして肥満にも大きな影響を与えることが分かっています。
さきほど「午前中に適度な日光を」とお伝えしましたが、健康と美容には、この「午前中の日光浴」がスーパーミソなのです。美容においてはこちらの方がぼくの関心事なのですが、今回はUVBとビタミンDのお話でいっぱいになってしまったのでまた次回以降に。

美容は肌表面という魚の目で見てしまいがちですが、美容は健康がベースに成り立っているということ。
そして体内がキレイで初めてお肌も美しくなるものですから、美容は鳥の目で見ることが大切ということを忘れないでください。