「あなたがブッダになりますように」~ティクナットハン師が導くマインドフルな「おじぎ」とは?

禅の世界的指導者であり、「応用する仏教」の実践者であるティクナットハン師。
師は、「すべては“インタービーイング(相互共存)”の関係で成り立っている」という考えのもと、本当に幸せになるための方法を指南しています。

「おじぎ」はあいさつではない!
自分と相手を見極めるとき

おじぎをしてあいさつするときは、瞑想のかっこうのチャンスです。相手とともに今という瞬間にいて、自分とその人の中の、完全な目覚めへの可能性をたしかめるチャンスなのです。

おじぎはたんなる礼儀やおつきあいの作法ではありません。生きている奇跡と、一人ひとりの目覚めの可能性を確認する行為です。肝心なのは、おじぎするかしないかではなく、そのときにマインドフルであることです。

マインドフルな状態で行う
おじぎの実践方法

人が自分に向かって手を合わせおじぎしようとするのに気づいたら、同じようにそうしましょう。手を合わせ合掌して息を吸いながら、心の中で「蓮の花をどうぞ」と唱えます。そして頭を下げながら、息を吐きつつ「あなたがブッダになりますように」と言います。これをマインドフルに行います。

相手が今、目の前にたしかにいることにしっかりと気づきながら、深く心をこめて頭をたれます。花や日暮れ、樹木、冷たい雨のしずくなど、目の前のさまざまなものごとと深いつながりを感じるとき、いのちの不思議を深く敬う気持ちが起こります。あなたの存在をたくして感謝をささげる気持ちで、おじぎも同じようにしてみましょう。

ブッダに礼拝するときは、自分が心に受けついだ目覚めの能力をしっかりと自覚します。こうした理解と実践によってブッダを敬う気持ちを表すとき、それはたんなる形式ではなく、智慧の実践になります。偉大な菩薩に礼をするときには、菩薩が体現する本質に深く触れ、それに習って生きる人たちへの深い感謝を感じてみましょう。偉大なる菩薩を敬うのは、自分もまた菩薩の生き方を実践し、自分の心の慈しみと理解と思いやりのエネルギーを育てていこうという表明です。こうした気持ちでするおじぎは、まさに瞑想といえるでしょう。

出典:『ブッダの幸せの瞑想』(サンガ)
著 ティクナットハン
訳 島田啓介+馬籠久美子

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Photo:Taisuke Yoshida