心理セラピストが語る!「郷に入っては、状況に応じて対応すべし」

心理セラピストが語る!「郷に入っては、状況に応じて対応すべし」

「郷に入っては郷に従え」
その言葉をどう捉えますか?

「郷に入っては郷に従え」という言葉があります。文化や風習等は、その場その場の在り方に合わせなさいという意味です。

素晴らしい考え方だと思います。よく転職組の人が「前の職場は、ああだった、こうだった!」と言って新しい職場の人を怒らせてしまった等という話を耳にします。それが新しい職場にとってプラスの意味合いだったらまだ良いのですが「以前の職場に比べて今の職場はダメダメだなー……」というニュアンスになってしまうと「だったら、今すぐ、前の職場に戻りなさい!」と言いたくなるのが人情というものです。

如何なる理由があるにせよ、以前の環境と悪い意味で比較するくらいなら、どんな手段を使ってでも以前の職場に残るべきでしたし、戻れば良いと思います。その会社にはその会社の歴史や文化があるのです。

一方、では郷に入ったら最後。有無を言わずひたすらその郷の文化や風習に従わなければならないのかという問題も出て来ます。今回のお話は、こちらにフォーカスしたいと思います。

最初に家族を考えてみましょう。
もしも、あなたの家族が喫煙大好き一家だったとします。先祖も親戚もみんな煙草が大好きな家系に生まれたとします。でも、あなただけはどうしても煙草が好きになれなかった。イメージだけの問題ではなく体調に不具合が出てしまう。確かにインテリ層の間では嗅覚は香りに順応しやすいと言われてこそいるが、そこには紛れも無く個人差が存在している事を忘れてはなりません。意識がもうろうとし、激しい頭痛に襲われる毎日。場の空気を壊さないためにひたすら耐え続けて何事も無かったように振る舞って来たけれど、そろそろ我慢の限界です。勇気を出して家族に相談してみたら逆ギレされてしまった。

こんな状況だったらあなたはどう感じますか。「家族と違った体質で生まれて来た自分がいけないんだ!」「世の中、喫煙可だらけ。適応能力が低い自分がいけないんだ!」と自分を責めてしまう人もいるかもしれません。逆に「なんて理解の無い家族なんだ!」と失望してしまうかもしれません。

実はここには大きなポイントが隠されているのです。煙草嫌いなあなた以外の人は、「煙草が臭いはずが無い」「煙草は良い匂いだ」」「煙草は癒される」「仮に煙草が苦手でも体調が変わるなんてありえない」という思い込みがある可能性が高いです。というのも、自分自身が感じた事の無い感情や体感した事の無い体調はイメージできないからです。

すべてを冷静に判断する
他人の言葉や自分の感情に流されないこと

煙草に限った話だけではありません。
たとえばサービス残業当たり前の会社に入ってしまったら、定年まで文句も言わずサービス残業をし続けなければならないのでしょうか。社長が、度が過ぎるワンマンで少しでも違った意見を言おうものなら何をされるかわかったものではないような会社に入ったら、ずっと耐え続けなければならないのでしょうか。

そう考えると「郷に入っては郷に従え」という言葉は必ずしも正しいとは言い難いという事がわかって来ると思います。しかし、これは決して反抗的な態度を取っても良いという事ではありません。今まで、その土地、その一族、その会社を守って来た人たちの努力は尊重した方が良いです。頭ごなしに、自分の意見を押し通そうとする前に、尊重する事は必須です。

世の中は「諸行無常」なのです。
常識にしろ思い込みにしろ、永遠には続かないのです。時間と共に絶えず何かが少しずつ変化して来ているのは事実です。時に、変化をせざるを得ない時だってあるのです。

僕たちは、ついつい自分の属している集団の多数派や権力者の意見が正しいと思い込んでしまい、自分が人と違った意見を持つ事をネガティブに捉えてしまいがちですが、決してそんな事は無いのです。変化を恐れないでください。未来は変化の上にこそ、存在するのです。