私たちの健全な成長に不可欠なのは両親の心からの愛情。ダライ・ラマ法王講演レポート

ダライ・ラマ法王 2013年 来日講演会レポート PART.10
私たちの健全な成長に不可欠なのは両親の心からの愛情。ダライ・ラマ法王講演レポート

人は、周りの人と共に社会的な生活を営む動物

「そして、さらに私たちは一人で生きていくことはできません。私たちは周りの人たちと共に、社会的な生活を営んで生きていくことのできる類いの動物となっているわけです。

つまり、私たちは生まれたその時から、お母さんの愛情を一心に受けて育ってきたわけです。これを調べてみますと、要するに、私たちのなかには他の人たちからの愛情を受け、そしてまた自分も他の人たちに愛情を示すということのできる可能性がもともと備わっているということを意味しています」

生まれてすぐにお母さんの胸に抱かれることが何よりも大事

「そこで、まだ胎児の状態にあるときであっても、お母さんのお腹にいる状態であっても、そのお母さんが非常に穏やかな心持ちで妊娠している状態を維持している場合には、生まれてきた子どもに非常に良い影響を与えるといわれています。その反対に、胎児を抱えているお母さんがいつも怒りや不安に満ちていると、生まれてくる子どもにも悪い影響を与えてしまうということがいわれています。
これは非常に明らかなことだと思いますけれども、科学者の方々は、生まれてすぐ新生児がお母さんの胸に大事に抱かれる、ということが、その子どもの脳が正しい、よい発達を遂げるために必要不可欠な要素となっているということを述べているわけです」

両親からの愛情が不可欠なのは人間もサルも同じ

「もちろん、そのときの新生児はその人がお母さんなのか誰なのかということを認識はしていません。しかしながら、生物学的に自分のことを心から優しく抱きしめてくれる方に対して信頼し、そして完璧に自分を任せていくという気持ちを本来的に持っているわけなんです。ですからお母さんにゆったりと抱きしめられると赤ちゃんは幸せに感じられます。そしてお母さんから引き離されてしまうと泣きはじめてしまうわけなんです。

これは人間だけではなく、サルの場合でも同じです。サルのお母さん、サルの赤ちゃんということで実験をしてみると、まったく同じことが報告されています。

つまり、子どもが、幼児が健全な成長を遂げていくためには、両親の心からの愛情が不可欠であるということが科学者が証明されていることであるわけです」

Because we are social animal, biologically we have the potential of showing concern for other human being.

Then I feel our life starts when conception, at the child is in mother’s womb. And if the mother’s state is calm, it cause very positive effect. If the mother’s mind constantly feels anger and fear, it causes very bad effect to the child or fetus.
So it is obvious. Again, some scientists say, after the birth of a child, the mother’s physical state is a crucial factor for the child’s brain.

Of course, then, the child has no idea who is that person but biologically truly entrust their life. So when the mother is holding the child, the child feels safe; and when separated, they cry.

And even monkeys, in some scientists’ experiments even monkeys they understood their mother very well. And, when they are separated, quite often, crying.

So therefore in healthy development of physical as well as healthy development of mind, mother’s affection that cares is extremely important.

~PART.11に続く~

(2013年11月25日 東京ダライ・ラマ法王来日講演「日常の中で活かす仏教の智慧~ダライ・ラマ法王と語ろう~」より。※英文はダライ・ラマ法王がご講演で話された内容そのままを転載。)
取材協力:ダライ・ラマ日本代表部事務所 http://www.tibethouse.jp/

ダライ・ラマ法王14世(His Holiness the 14th Dalai Lama)
1935年チベット東北部にあるタクツェルという村落に生まれる。2歳の時、ダライ・ラマ13世の生まれ変わりと認められ、15歳で政治・宗教両面の国家最高指導者となる。1959年に亡命し、インドのダラムサラに亡命政権を樹立。チベット問題の平和的解決を訴え続け、1989年ノーベル平和賞受賞。2011年8月には政治的地位を主席大臣のロブサン・センゲ氏に委譲。78歳となった今もチベット人をはじめ世界の多くの人々の精神的指導者として活躍している。