『ルーンマスター杉原梨江子 ~北欧の聖なる文字ルーンからの伝言~』 第17回

『ルーンマスター杉原梨江子 ~北欧の聖なる文字ルーンからの伝言~』 第17回

【ルーン塾】の生徒さんから桜の木の枝をいただきました。もう、ぷっくりと芽がふくらんで、まもなく花が咲きそうな予感。たくさんいただいたので、部屋の中が桜でいっぱいになるのも近いかもしれません。とても楽しみです。

春、新芽の赤ちゃんがもうすぐ生まれます

昨日夕方、空が明るいことに気づきました。あ、いつの間にか春。6月生まれの私は新芽の季節になると心も体もどんどん元気になります。枝の奥のほうにいた葉っぱが顔を出したがっているみたいに、うずうず、ドキドキ。冬の間は静かにひっそり、決断力なども鈍る気がして、大きなことは冬には決めません。春が近づくと、冬眠から覚めるみたいに動き出す、毎年そんな感じです。木や花もそうですね。冬の間、裸木のまま、じっと耐えているように見えるけれど、じつは春を静かに待っているのです。枝の先に小さな新芽の赤ちゃんを抱えて……。

予言の力を得られる魔法のお酒

さて、今日みなさまをお連れする“ルーンをめぐる聖なる旅”は、前回に引き続き、神々の神殿が建っていたとされるスウェーデンの「ガムラ・ウプサラGamla Uppsala」。私はここで、魔法のお酒を飲みました! ひと口飲めば、予言の力と、詩人の才能を得られるというお酒。じつはこれ、北欧神話に登場する“オーディンの蜜酒【Miödミョード】”なんです。最高神オーディンがさらなる強いパワーを求めて、巨人から盗み取ったいわくつきのお酒。神話の中のお酒が飲めるって、どういうことって思いませんか? 不思議に感じるけど、北欧では古くから造られ、特別なお酒として人々に親しまれているんですよ。

魔法のお酒

オーディンは強力なパワーだけでなく、知恵や不老不死の力を探求することにも熱心でした。その最たるエピソードが「ルーン文字」を得た時のものです。宇宙樹ユグドラシルの枝に逆さに吊り下がり、九夜九日の苦行の末に、宇宙樹に秘められていたルーン文字をつかみとった、と神話に書かれています。オーディンの蜜酒と同様、その神秘のルーン文字も予言の力と知恵を使う者に与え、言葉によって自らの願いを叶えていく道具。オーディンが偉いのは自分一人でこっそり使うことはせず、詩の才能のある人間たちに伝えたため、現代まで私たちがルーンの秘法を知ることができるのです。
どんな味かって? 蜜酒【Miödミョード】を瓶から注ぐと、クリーム色の液体で少しとろみがありました。ほんのりとした甘みが口に広がるけれど、少し苦みもあり、独特の風味。フルーツ牛乳、いや、ヤクルトか、子どもの頃どこかで飲んだことのあるような味ですが、かなりアルコール度数は高め。感覚としては日本のにごり酒の洋風といった味わいでしたね。

ラザニア

一緒にいただいたラザニアは高さ10㎝もあろうかというビッグサイズ、とろ~りこってり絶品でした。

看板
オーディンの蜜酒【Miödミョード】が飲めるのは、小高い三つの山から吹く風が心地いいレストラン「オーディン・ボルグ Odinsborg 」。スウェーデンの国旗がはためく、かわいい木のおうちです。ストックホルムを旅したら、ちょっと足を伸ばして、魔法のお酒をいただきに出かけてみてはいかがですか?

レストラン入口

★レストラン「オーディン・ボルグ」Odinsborg Restaurant & Café
月~金10:00~16:00 土・日10:00~18:00 無休(2013年7月現在)
ホームページ http://www.odinsborg.nu/

※ガムラ・ウプサラへの行き方は第16回をご覧ください。

オーディン

八本足の馬スレイプニルに乗って、空を駆けるオーディン。Photos by Rieko Sugihara(July2013)

ルーンマスター、聖樹・巨樹研究家 杉原梨江子
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©RIEKO SUGIHARA 2014