有名人で見る西洋占星術 ~星は人生のトリセツ~PART.11 羽生結弦さん 後編

有名人で見る西洋占星術 ~星は人生のトリセツ~

ソチオリンピックの金メダリスト
フィギュアスケーター・羽生結弦さんのホロスコープ

みなさま、こんにちは。
今日は前回に引き続き、フィギュアスケートの金メダリスト、羽生結弦選手に現在の星が与えた影響についてトリセツいたしましょう。

ショートプログラムでは、歴代世界最高、初の100点超えを果たした羽生選手ですが、高難度のプログラムを完成度高く滑りきり、余裕すら感じました。

昨年からの持ち越しのプログラムということもあり、完全に自分のものにし、テクニカル的にも羽生選手の能力からして、無理しないでも滑ることのできるものだったのでしょう。

しかし、フリープログラムは違います。パトリック・チャン選手に勝つために組んだ、攻撃的で限界に挑むようなジャンプ構成です。8つのジャンプのうち、得点が1.1倍の後半に5つもジャンプを持ってきて、そのうち3つがコンビネーションというのは、羽生選手しか予定構成でも、実施でもいませんでした。それだけキツい、勝つために限界に挑むプログラムだったのです。

実際、オリンピック前に最初の4回転サルコーに成功したのは1回しかありません。まさに限界ギリギリのプログラムだったのです。

ジャンプの乱れはありましたが、グランプリシリーズ等、中1日お休みのある日程ではなく、ショート、フリーを連日行うハードな日程の中、失敗はどうにか許容範囲内に抑えることが出来ました。

いくつかミスがありましたからパトリック・チャン選手が金メダルか、と思われましたが、パトリック・チャン選手にもミスが出て、羽生選手の攻撃的なジャンプ構成が功を奏し、金メダルを獲得しました。

では、あの歴史的な日のあの時間、ホロスコープはどうなっていたのでしょうか?

金星、木星のダブルのグランド・トラインが
金メダル獲得の原動力!

羽生選手の金星と木星が120度トラインという調和と発展の良い角度を取っていることは前回お話いたしましたが、その金星、土星と、現在の幸運の星・木星がそれぞれ120度トラインの位置にあり、グランド・トラインという非常に幸運な力を持つ複合アスペクトを形成していたのです。

羽生結弦さんのホロスコープ

また、金星は現在の海王星と木星ともグランド・トラインを形成しています。
海王星は、イマジネーションと芸術の星でもあり、それが木星とともに、お生まれの金星を援護していたのです。

この金星と木星が非常に強い働きをしました。
ダブルで金星、木星のグランド・トラインがあり、羽生選手は19歳で、金星の年齢域にあるのです。

その年齢の状況を見るときには、その年齢域の星を見ます。16歳~25歳は金星、26歳~35歳は太陽、36~45歳は火星、といった具合に、年齢によって異なります。

金星の年齢域に、金星が木星絡みのグランド・トラインを形成し、それがオリンピックの時期と重なる。
これは、本当にすごい星の後押しで、そうそう起こることではありません。

もちろん、能力や努力がなければ、いくら星の後押しがあっても、それだけで金メダルを取ることはできませんが、大きな力になったことは間違いないでしょう。

困難をバネに成功するアスペクトが
さらに強力にバックアップ

そして、もう一つ、大きな複合アスペクトも形成していました。

火星が冥王星、木星と90度スクエアの位置にあることは昨日お話しました。
そのため、自分の限界に挑み、アグレッシブに戦うのですが、限界を超えてしまうと体力切れやミスが出る場合もあります。

今回のオリンピックは、ショートとフリーが連日の試合でタイトなタイムスケジュールということもあり、体力的にも厳しい面がありましたし、やはり五輪ですから、通常の試合とは重圧もケタ違いだったと思います。
そのギリギリの状態でジャンプが乱れた中、踏みとどまることが出来たのは、火星のスクエアを補って、もう一つ現在の星たちが味方してくれたためです。

お生まれの火星にたいして、現在の太陽と水星がコンジャクションしてちょうど180度の位置にあり、そのことによってお生まれの火星と冥王星、木星のスクエアに加わり、T字スクエアという複合アスペクトを形成していたのです。

羽生結弦さんのホロスコープ

これは90度スクエアの不安定さを、もう一つ星が加わることによりT字になることで安定させます。不安定の中での安定といいますか、困難をバネして成功するアスペクトなのです。

さらに、現在の太陽と水星は現在の月とも180度の位置にあり、ちょうど、太陽、水星と月で火星を挟み、守るようなT字スクエアだったのです。

T字スクエアは、いわゆる「幸運」のアスペクトではありませんが、困難をバネに、いえ、困難があるからこそ、それを覆そうと頑張ることにより、成功へと繋がると言ってもよいアスペクトでしょう。

困難を表すアスペクトでありながら、成功者と呼ばれる方がお持ちになっていることも多い複合アスペクトなのです。

ご両親も教師のお父様とパート勤務のお母様と、ごく普通のご家庭で、莫大な費用のかかるフィギュアスケートを続けるにはご苦労もあったでしょう。未曾有の大震災にも遭い、一時は練習場所さえ失いました。

ジュニアから上がった頃のアイスショーで「プロになってお金を稼いで両親に恩返しをしたい」と語っていた事を思い出します。
『こんなに若いのに、なんてしっかりした選手なんだろう』と驚いた覚えがあります。

今回の金メダルは、幸運のアスペクトと同時に、今までの苦労をバネにする不屈のアスペクトがもたらしたのではないかと思います。

金メダル獲得の一役を担った
聖なる火の女神の星ベスタ

そして最後に、もう一つ、不思議なお話を。

いつものこのトリセツでは太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、海王星、天王星、冥王星の10個の星を中心にお話しています。それは、他の小惑星を交えてお話すると、木を見て森を見ず、ではありませんが、細分化して見ていくことで、反対に本質が見えづらくなると思うからです。また、私自身、重要度、ウエイトは、10個の星にあると思っているからでもあります。

そのため基本的な10個の星を中心にお話をしていますが、今回はちょっとなるほど、と思わずにはいられませんでしたので、付け加えさせていただきます。

火星と木星の間に、ジュノー、ベスタ、セレス、パラス等の小惑星があります。

そして、羽生選手のお生まれのホロスコープのベスタと、現在の木星が重なる位置にあるのです。ここでも、グランド・トラインが形成されているのです。

羽生結弦さんのホロスコープ

実は、このベスタ、かまどの火を守る、聖なる火の女神の星なのです。

聖なる火……そうです!!
聖火と重なると思いませんか?

また、このベスタは、義務と禁欲を意味します。
羽生選手は携帯を持っていません。お母様がスケートに集中するように、と持たせていないそうです。

今どきの19歳では考えられないことですが、それだけ、周りの楽しい事、面白い事、興味を引きやすい事、つまり自分の欲望に惑わされないように、ということなのでしょう。

そのことも含めて、聖なる火のベスタも、羽生選手が金メダルを取るような運命的な星の配置に、一役買っていたのでは、と思ってしまいます。

地位が人を作る!
アスリートとして、人として、さらなる成長に期待

ご本人の才能と努力、そして幾重にもグランド・トラインが重なり、時の女神と星たちに祝福されて、金メダルを得ましたが、羽生選手はまだ19歳。
さらに難しいジャンプ構成を狙っていくようですので、次のオリンピック、その間の世界選手権も楽しみです。

帰国の際のインタビューでは報奨金は、被災された方への寄付や、スケートリンク建設の寄付に充てたいとおっしゃっていますが、被災したご自分がスケートをする意味を常に考える羽生選手。

金メダルという素晴らしい結果で、被災地の方へ大きな勇気と感動を与えましたが、今後は、金メダリストということで、さらに、ご自身の寄付だけでなく、羽生選手の発言や行動で、被災地の方々のためとなる具体的な動きも出てくるでしょう。

地位が人を作る、と言われていますが、高い地位につくと、それに相応しい人になろうとすることで、人は成長するのだと思います。
金メダルとともに、アスリートとしても、人としても、さらに素晴らしい選手へと期待します。

感謝とエールを込めて、羽生結弦選手へ心からのスタンディングオベーションを!!

~おわり~
「有名人で見る西洋占星術」シリーズ
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