こんなにもある!お母さんのための出産&子育てサポートビジネス事情 in カリフォルニア

出産をサポートする様々な職業

前回、少し触れたドゥーラ(記事はこちら)もそうですが、出産、産後にかけてお母さんの為のサポートを行う職種に、「出産ドゥーラ」「ベビーシッター」「ナニー」「マザーヘルパー」「産後ドゥーラ」があります。
もしかしたら日本の皆さんにはなじみのない職種もあるかもしれませんのでご紹介します。

■出産ドゥーラ
出産に立ち会い、妊婦さんのサポートを行います。
出産に夫が立会ってくれていたとしても、初めての出産でどうしていいか分からない事もあるでしょう。分娩室で、同じ女性として分かり合えるドゥーラに話を聞いてもらいたいと思う事もあるでしょう。ずっと背中や腰をさすってもらって、気持ちを安定させたいと思うでしょう。

しかし、ドゥーラが付き添うからといって、分娩に立会う夫や家族の代わりではありません。ドゥーラが一緒に居ることは、立会う家族にとっても重要な意味があるのです。実際、出産ドゥーラが付き添った場合、産婦の気持ちの安定率が高くなる、医療介入の減少や、 分娩時間の短縮、産後の母子の絆の強さが高まるなど、分娩中、産後において幅広く効果がみられているのです。

■ベビーシッターとナニー
子供の面倒を見るという点では同じですが、ベイビープランナーをしているアメリカ人の友人曰く、分かり易く言えば、特に子供の世話の為に何かしらの勉強や資格取得なく、必要な時だけアルバイト感覚で、というのがベビーシッターで、子供を世話するにあたり、必要な教育や資格を取得し、その仕事でフルタイムとして一定期間契約した家族の元で働いているのがナニーとのこと。実際に、ナニーについては、子供の身の回りの世話だけでなく、情操教育も含め、子供と関わって行きます。
また、ナニーは契約した家族の家に住み込み働くという場合もあります。

■マザーヘルパー
その名の通り、お母さんの為のヘルパーさんです。そのため、子供の世話をするのでなく、お母さんの代わりに、家事全般や買い物などを行います。

■産後ドゥーラ
産後の母親に寄り添ってくれる心強い存在でもあります。日本では、実母がしばらく育児をサポートしてくれる場合もありますが、最近の日本ではなかなかそれが叶わない人も多いのが現実。アメリカでは更にその率は高く、ドゥーラが職業として確立しています。産後の女性の身体の変化、育児、家事に関する事などを学び資格を取得し、活動しています。産後ドゥーラは契約期間最長約3ヶ月。3ヶ月というと、産後の身体の回復も落ち着いて来る頃でもありますね。

 

妊娠、出産、産後、女性の身体と心は大きな変化の渦の中。
特に、産後のホルモンバランスが不安定になり、初めての赤ちゃんなら、初めての育児で、家族関係にも変化が出てきます。
可愛い我が子に対して、わかっていても、些細な事で悲しくなったり、怒りっぽくなったり、イライラしたり、夜は授乳や夜泣きで眠れなかったり……。

また、高齢出産も増えています。
当然ながら、産後の身体の戻りが遅い女性も多いでしょう。やはり、若さには負けます。(もちろん、普段からバランスの取れた食事、規則正しい生活、適度な運動等心がけていれば、実年齢より肉体年齢が若い方もいます。)

赤ちゃんを迎えて、生活も一変します。
そんな時に、こういった育児をサポートしてくれる心強い人達がいるのです。私の住む地域でも、近所を歩けば、ベビーシッターさんかナニーさんであろう女性がストローラーを押して歩く姿をよく見かけます。あるマタニティ&ベビー関連のサービスを行うお店に行けば、明らかに産まれて間もない赤ちゃんとお母さんとその横にサポートをする女性が同伴している姿がいます。

「職業としてそれぞれが確立している」=「それだけニーズがある」ということ。
日本でも、ベビーシッターやナニー、ドゥーラの協会やサービスが始まっています。

以前なら、産後のお母さんのヘルプをする、といえば実母がまず一番に手伝いに来てくれたり、妊婦さんが帰省して出産、そのまましばらく実家で身体を休めつつ実両親のサポートを受けているのが日本でも当たり前でしたが、それが少しずつ変わりつつある、というのも少し寂しい気がします。ですが、産後の肥立ち、誰かのサポートを受ける事は産後のママさんにはとても大切なのです。