アンガーマネジメント Vol.15「黒田官兵衛に学べ!究極の選択方法」

アンガーマネジメントで分析する黒田官兵衛

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というのは余りに有名な言葉です。
個人的な経験から教訓を得るのももちろん大事な事ですが、自分よりはるかに大きな問題に直面した過去の偉人達は、どのようにその難題に当たったのか知るのはとても大切ですね。

ちょうど今NHKで黒田官兵衛のドラマをやっています。
これ見た方がいいですよ。
戦国時代という極限状態で、瞬時にどんな決断をすればいいのかそんなシーンの連続です。

2/2に放送された、宿敵赤松家との死闘。
(「青山・土器山の戦い」と呼ばれています)
1569年、小寺家(黒田家が仕えていた家)に敵対していた赤松家が、3000の兵を率いて黒田官兵衛が守る姫路へ攻めてきました。
しかしこれを見るや、小寺家の頭首政職は、黒田家を見捨てて自分の城に戻ってしまいます。
残された黒田の軍勢はわずか150。

どうしますかこの状況!?
敵はこちらの20倍!

この時の状況を、アンガーマネジメントでも活用している、「不安/ストレスログ」(怒りタイプ診断講座で解説しています)で整理してみましょう。

『不安/ストレスログ』では
今自分が今直面している不安やストレスを

①自分の人生にとって重要か
②それは自分が努力すればコントロールできる物なのか

マトリックスを使って分析していきます。

今回、「赤松家が3000人で攻めて来て、味方が逃げてしまった」という事実は、『重大/コントロール不可(自分が努力しても変えられない事態)』という領域に入ります。
これを受け入れた上で、善後策を考えなければいけません。

①姫路城に退却して籠城戦に持ち込む
②何とか踏みとどまる

2択ですね。

家臣は①を進言しますが、籠城では勝算がないと踏んだ官兵衛は②を選択します。
結果、黒田側にも甚大な被害が出たものの、何とか持ちこたえます。

気を病みそうな選択はまだ続きます。
一旦両者退却し、黒田軍もやっと休息が取れる状況となりました。
しかし、官兵衛はここで考えます。

「このまま防御に徹しても、大軍の前ではいずれやられる」

今度の事実は、『重大/コントロール不可』の領域に、「黒田軍は壊滅的な打撃を受けているが、敵の赤松軍にはまだ余力が残っていて、戦いが長引けば必ず負ける」という内容が入ります。

選択肢はまた2つ。

① 兵士を休ませ、防御に徹する
② 赤松軍が油断している隙に、奇襲をしかけて一気に形勢を変える

家臣は①を進言しますが、
官兵衛は②を選択。
息付く間もなく、小丸山に強襲部隊を結成します。

幼なじみでもあり、戦いで深手を負っていた母里武兵衛が、「これほどの傷を負った者にも出陣しろというのは、死ねという事か」と官兵衛に問いかけたのに対し、「おそらくそうなるだろう」と答えたと言われる逸話はとても有名です。

そして官兵衛の武勇は播磨一国に響き渡る事になるのです。

いかがですか?
おそらく官兵衛ほどの軍師となると、全体を俯瞰する力、情報を冷静に分析する力が並外れていたのは間違いありません。

私たちが陥ってしまいがちなのが、「考えているつもりで、不安の堂々巡りを繰り返しているだけ」で何も決定できないループにはまってしまう事です。

「現状を捉えて、分析し、選択する」というプロセスは、訓練すれば段々上手になってきます。
皆さんも実践されてみて下さいね。

 

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