沖縄の大木に宿るエネルギーを、是非体感してください~沖縄の大木と、そこに住まう小さな精霊(後編)

神様が宿る木々

今年も早や2月に。
本格的な冬到来で大雪に見舞われ被害に遭った地域も多いですが、これ以上酷くならないよう祈っています。

さて、沖縄の大木の後編は、ご存知の方も多いでしょうが、「ガジュマル」です。
聞いたことはあるけどよく知らないという方もみえると思いますので、私の少ない知識の中でお話いたします。

樹の高さはかなりあり、高いものでは20mを超えるものも。幹が複雑に絡み合って枝が細かく分かれて広がり、“気根”と呼ばれる地上の茎から出る根が垂れ下がっているのが特徴です。それらが少しずつ自身の幹に絡みつき、複雑で異様とも言える姿かたちになっており、八重山を含む南西諸島に多く見られます。何故ここまでの姿になったのか、それは一説には、キジムナーが住んでいるせいだとも言われています。

「キジムナー」はご存知ですか?
これも聞いたことがある方も多いと思いますが、昔から沖縄に伝わる伝説上の精霊のことで、赤毛で赤ら顔の子供の姿をしており、魚介類が好きで漁の手伝いをしたり、気に入られた家は繁栄するそう。
しかし、住処であるガジュマルの木を切ったり焼かれたりすると、漁師を溺れさせたり、家を焼かれたりと、嫌われると家が滅びると言い伝えられていてちょっと怖いですが・・いわば座敷童のような存在でしょうか。
そんなキジムナーが住んでいるとなると、むやみやたらとガジュマルを切るなどできないので、どんどん枝葉が伸びて大きく育つのでしょうか。

その大きさから、街路樹や生垣、家の前に建てて、なかが見えないようにするひんぷん(屏風)として使われたり、防風林としても活躍したりと、台風が多い沖縄ならではの活躍です。

 

神様が宿る木々

実際にこの木を見ると、あたかも神様が本当に住んでいるのかと思うほど、そのどっしりとした出で立ちや、全てを見透かされているような静かな佇まいに圧倒されます。
1本1本の複雑に絡まった枝を見ていると、ここまでになるのに、一体どれだけの年月を経てきたのか、どれだけの人達の人生のドラマを見てきたのかと、感慨深くなります。
ウタキ(御嶽)の近くに比較的多く植えられていることからも、うなずけますね。
得てして大木というのはそういうものですね。

私の住む岐阜にも樹齢1500年の素晴らしい根尾の淡墨桜がありますが、この前に立つと、やはり神様か何かが宿っているような感覚があります。全国各地にそんな大木が多く残っているので、是非訪れてみたいものです。

ちょっと規模が違いますが、身近では花や植物に話しかけると、生き生きと蘇ったり、育ちが良くなったりしますよね。
皆様も近くの植物や、古い大木を見かけたら、
何か一声かけて頂くと、きっとそこに住む精霊が笑って、応えてくれるかもしれませんよ。