長寿と健康の秘訣は地中海食!アンチエイジング専門医・川田浩志先生インタビューPART.5

“地中海風”に取り入れたいお勧めのナッツは?

川田先生:
「ナッツは油分が多くてカロリーが高そうに見えますよね。ですが、じっさいにはカロリーとして身体に取り込まれにくく、むしろ熱産生を高めてくれるようですので、ダイエットに最適なんですよ。たとえば毎日おやつに食べている約250kcalのケーキやクッキーを、同カロリーのピスタチオに替えただけで、数か月で2.5kgくらい体重が減ったという調査研究結果が報告されています。腹もちもいいですので、3時くらいに食べておくと、夕飯を食べ過ぎなくて済むでしょう」

――ピスタチオ以外だと、オススメのナッツは何ですか?

川田先生:
「クルミ、カシューナッツ、アーモンドなどもいいですよね。アーモンドのあの赤い皮の色は、レスベラトロールというポリフェノールです。レスベラトロールは、赤ワインに豊富に含まれていて、健康維持やアンチエイジングにたいへんプラスの効果が得られることがわかり、いまもっとも注目されている成分のひとつですが、アーモンドからでも摂ることができるのです。あと、ピーナッツは、木から採取するわけではないので、厳密にはナッツではないのですが、ピーナッツにもいろいろな病気を防ぐ効果のあることがごく最近になってわかってきました。

ナッツは、塩分摂取過多にならないように、なるべく塩分が添加されていないものを選ぶようにしたほうがいいですね。あと古そうなものも避けてください。外国から輸入されて長期保管されているものは要注意です。アフラトキシンという、カビの一種から作り出された発がん性の強い毒素が付着していることがあるからなんです。もっとも、最近は、あまりそういう古い品はなくなってきたようですが……」

川田先生がオリーブオイルを勧める理由

――さきほど油の話が出ましたが、どういうオイルがお勧めでしょうか?

川田先生:
「アルファリノレン酸とオレイン酸が多く含まれているオイルはいいと思います。オレイン酸は、オリーブオイルやグレープシードオイルなどに多く含まれていますよ。アルファリノレン酸だと、エゴマオイルや亜麻仁油などです。

私は、オリーブオイルがもっとも気に入っていて、使用頻度も高いです。オリーブオイルがいいのは酸化しにくいからです。グレープシードオイルやエゴマオイル、亜麻仁油などは酸化しやすいので保管には注意が必要です。火を通すのもだめ。とくに、エゴマオイルや亜麻仁油は、開けたらなるべく早めに使い切ったほうがいいです。でも、これらのオイルもアンチエイジング効果抜群ですので、油の特徴を知ったうえで、食生活にうまく取り入れてみるといいと思います」

~PART.6へつづく~

 

<プロフィール>

川田浩志先生
東海大学医学部血液内科准教授。医学博士。著書に『見た目が若いと長生きする』(筑摩書房)他
ブログ:http://ameblo.jp/antiagingworld/

Photo: Miho Urushido