Holistic Childbirth ~「出産は赤ちゃんと共に私が産む」という意識~

妊婦の介添え人・出産ドゥーラ

数年前、地元紙に掲載された記事に、『サンフランシスコの女性は、高コストになるにも関わらず、自宅出産を選んでいる』というのがありました。

ここ数年で、サンフランシスコ、その近隣地域では自宅出産もわずかながら増えているそう。(ただし、自宅出産を選択したとしても、万が一の場合には搬送できる病院を事前に決めて置く必要があります)
自宅出産の場合、水中出産を望む妊婦さんも多いらしく、自宅に出産用簡易プールを設置、助産師さんの介添えでの出産。

また、助産師さんだけでなく、妊婦さんに寄り添って心身のサポートをする出産ドゥーラも妊婦さんも出産に立会うことがあります。
出産ドゥーラはあくまで、妊婦さんの為の介助人であり、助産師さんのような医療的行為や赤ちゃんを取り上げたりすることはありません。アメリカでは、出産ドゥーラを利用する妊婦さんが増えているそうです。ドゥーラについては、また別の記事で紹介しますね。

サンフランシスコ、またその近隣地域(ベイエリア)では自宅出産や助産師さんの介添えで出産を希望する妊婦さんの為のサポートグループや、助産師さんとドゥーラのグループも多く、妊娠中に何人かの助産師さんやドゥーラと会い、夫婦はどの助産師、ドゥーラを選ぶか決めて行きます。
こればかりは、お互いの相性もありますし、希望する出産プランにもよるので、どういう人を選ぶか、選ぶ方も真剣です。

「私が生む」という自覚

私の友人は病院での出産でしたが、出産ドゥーラは彼女の第一言語であるロシア語が話せるロシア人のベテラン出産ドゥーラが彼女をサポートしました。

さて、妊娠期間から出産に向けて、自分は今どうするべきか、能動的に考えていますか?
「妊娠しているんだし、産むのは私なんだから、そんなの当たり前でしょ」と言われてしまえばそれまでですが、では、心の中ではどうでしょう?
待ちに待った待望の我が子に会える瞬間を心待ちにして出産準備をされている方がほとんどでしょうが、「自力で産む」という気持ちで妊娠期間を過ごされていますか?

自力で産む、だからと言って何も自宅出産を勧めている訳ではありません。
病院で産むから、だから、先生に全てをお任せしてしまっていませんか?
言われるがまま、ってことはありませんか?

カナダのクリニックに勤務していた頃は、仕事柄、多くの妊婦さんと接して来ました。
出産への考えも意識も人それぞれ。
ただ、気づいたのは、定期的にマッサージを受けに来られていた妊婦さん達は、「私が産むのだから」という意識が高く、その為、マッサージだけでなく、出産に向けて身体を鍛えている人が多かったのです。(この場合の鍛えるというのは、ジムに通う、筋力を付けるとかそういう事ではなく、出産力を高めるために身体を調整している、という事です。)

日本でも、助産院で出産をされる方の多くが、マッサージだけではなく、マタニティヨガや、出産に向けてのエクササイズや骨盤底筋筋肉を鍛えること、会陰マッサージ、食事にも気をつけ、とにかく、出産に向けて、積極的に準備をされています。

日本と比べ圧倒的に無痛分娩を選択する妊婦さんが多いアメリカですが、もちろん、それを希望するのは構わないと思います。ただ、無痛分娩だから、病院まかせ、ではなく、「産むのは自分である」事を意識し、普段から出産に向けた準備は大切です。

お母さんと肉体的につながっている赤ちゃんは、栄養をお母さんからもらうだけではありません。 そして、お腹にいる赤ちゃんと会話をなさってください。赤ちゃんは、お母さんの感情を読み取ります。声に出して話しかければ、それを聞いています。

それぞれお母さんの出産方法は違っていても、産む、産まれて来る事はお母さんと赤ちゃんとの共同作業です。

普段の生活に追われる、悪阻の辛さもある、身体も変化していく、勿論それはよくわかります。でも、母としての直感力と感情を磨いて下さい。
それはきっと出産の時、我が子との素晴らしい出産体験を一緒に得られるはずです。
愛に包まれた素晴らしい体験となりますように。