自分を大切にしていますか?PART.7~「子宮筋腫の手術と準備」「医師とのコミュニケーション」

患者と医師との関係

婦人科としては最も多い代表的な手術である子宮全摘出手術は、数時間で終えることが出来る為、毎日たくさんの人が手術を受けています。私は偽閉経治療と手術は別の病院で行ったので、執刀医とのコミュニケーションも出来ないで手術を受けることに不安を感じていました。

今まで自分がどんな治療をしてきたかは、カルテを診ればわかるでしょう。どんな症状があって、今どんな状態なのか、わかるでしょう。
でも患者側としてはその医師が一体どんな人なのか?わからない。そして自分がどんな思いで、気持ちで、治療に当たってきたのか? 今後どうしたいのか?が重要視されていません。
入院初日に簡単なアンケートに自分の趣味や嗜好を答えましたが、気持ちの部分には焦点が当たりづらいのです。

医師を前にすると、言いたいこともなかなか言い出せず、聞きたいことも聞き出せないことってありませんか? 先生の前では立場が弱い関係性になりやすいですよね。治して頂く。という条件付けがあるからではないでしょうか? 特に婦人科に関して医師が男性だとなかなか聞き出せない、言い出せない人も多いんですよね。
受け身になりやすいのは仕方がないかも??

いえいえそうではありません。患者側からの話で治療の幅が広がったり、医師にとっても発見がたくさんあります。対等であるからこそ生まれる治癒力というものがあるはずです。

手術をすることになって自分の身体を、命をその医師に預けるわけですよね。医師への信頼がなければ怖くありませんか?任せられますか?本当にこの医師で大丈夫だろうか?と不安になっても当然ですよね。

私、めちゃくちゃ不安で怖かったのです。自分の命をこのまま任せてしまっていいのか?本当に怖かったのです。どう見ても私よりもずいぶん若く、経験値が少なそうにみえたので更に不安に鳴りました。この先生で大丈夫だろうか?不安になっても当然です。

そこで私はその若き医師に9枚におよぶ手紙を書きました。私の気持ち、思いを書いたのです。どんな思いで治療をしてきたのか?手術に対する不安、子宮を失う事への怖れ、どう生きてきて、どう生きていきたいのか?その時、医師に知って欲しいと思ったこと全てを書いたと思います。

その1通の手紙のおかげで私は、若き医師ととても良い関係性を築くことが出来ました。こちら側が心を開いてさらけ出せば、その思いは必ず医師に届くはずです。最高善の治療を施したいと願う医師であれば必ず思いは届きます。

完全に医師の診察を終える日まで何度となく手紙を書き、その時の身体の変化や心の変化などを常に伝え、完治する日まで力強く支えられていきました。

決して私が特別ではありません。医師とどのように関わっていきたいのか?どのように治療をしていきたいのか?自分の意志をしっかり持つことが大切です。そして少しの勇気を持って下さい。

次回は「いよいよ入院」。

 

 【コラム】 

1825年頃 アンジェロ・ヴァントゥーラ London

ハープリュートの天使
金色の装飾の中に一際目立つハープを弾く天使が描かれているのがわかりますか?
楽器の作りに沿ったモチーフにも天使のような可愛らしいお顔も描かれています。
作り手のアンジェロは天使という名前ですから、天使の祈りがいっぱいの音色が聴こえてきそうですね。