史上最悪の殺人者“アイスマン”の衝撃実話を映画化『THE ICEMAN 氷の処刑人』

愛する人を守る男か、冷酷な殺人鬼か。二重生活を生きた男の心の闇に迫る。

人は秘密を抱えて生きている。友人も恋人も職場の同僚も、長年同じ屋根の下で暮らしてきた家族さえも知らないミステリアスな一面は、誰もが大なり小なり隠し持っている。

しかし実在のポーランド系アメリカ人、リチャード・ククリンスキーの秘密は、世界中の誰よりも奇妙で異常なものだった。ニュージャージー州の高級住宅街に大邸宅を構え、よき夫、よき父親として振る舞っていたこの男は、マフィアも震え上がる超一流のヒットマンであり、このうえなく冷酷非情にして残虐なシリアルキラーだったのだ。

物語は1960年代、ポルノ映画のコピー工場で働いていたククリンスキーの孤独な青年時代から始まる。
デボラという女性への片想いを実らせ、彼女との間に娘をもうけたククリンスキーは、ひょんなことから地元のギャングに誘われ、裏社会の危険な仕事に手を染めていく。

表向きは為替ディーラーと偽り、心優しきファミリーマンとして妻や娘たちに接しながら、その裏ではマフィアから受注した暗殺ビジネスを黙々と遂行するという極端な二重生活。
やがて1970年代、雇い主の信頼と多額の報酬を勝ち得たククリンスキーは、幸せに満ちあふれた理想の人生を手に入れるが、ひとつまたひとつと歯車が狂い出し、彼の“アメリカンドリーム”はもろくも崩壊していくのだった……。
1986年に当局に逮捕されるまで、約20年にわたって家族や友人たちに凶暴な素性を隠し通したククリンスキーは、その間に拳銃、刃物、シアン化合物などを用いて100人以上の命を奪ったとされ、アメリカ犯罪史上最悪の殺人鬼と呼ばれている。
さらに被害者の死亡日時をカムフラージュするため、死体を冷凍保存してから遺棄するという身の毛のよだつ手口ゆえに“アイスマン”の異名をとった。

複雑な矛盾を抱えたこの男は、どのようにして穏やかな家庭人とおぞましい殺人者というふたつの顔を使い分けていたのか。なぜ妻や娘たちは、その秘密にまったく気づかなかったのか。ククリンスキーのとてつもなく深い心の“闇”に切り込んだ実録犯罪映画『THE ICEMAN 氷の処刑人』は、いつ狂気が暴発するかわからない異様なスリルとともに観る者の胸をざわめかせ、人間という生き物の大いなる謎を突きつける衝撃作だ。

2012 KILLER PRODUCTIONS, INC.

タイトル:『THE ICEMAN 氷の処刑人』
出演:マイケル・シャノン、ウィノナ・ライダー、ジェームズ・フランコ、レイ・リオッタ、クリス・エヴァンス
監督:アリエル・ヴロメン 脚本:モーガン・ランド、アリエル・ヴロメン
原作:アンソニー・ブルーノ「氷の処刑人」
原案:“The Iceman Tapes: Conversations with a Killer”(06/HBO)
原題:THE ICEMAN/2012年/米/106分/5.1ch/シネマスコープ/カラー/デジタル  R15+
配給:日活
11月9日(土)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式サイト:http://iceman-movie.net/

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