約束の場所・セドナ 第5話「サイキック・リーディング」

約束の場所・セドナ 第5話「サイキック・リーディング」

右下の岩はスヌーピーロック、左上の小さな岩はルーシーロックと呼ばれています。

サイキックリーディングによって導き出した答え

「それでは、仕事のことでお聞きになりたいことはありますか?」
そこは六畳にも満たない狭い一室でした。遠くから聞こえてくるような小さいボリュームで流れるヒーリングミュージックと、部屋全体に漂う心地よい香りに包まれながら、私は普段から心に溜めていたことを、自分でも不思議なぐらい素直に話していました。

それは長時間労働にさいなまれ、常に怒号が飛び交っている精神的に負担の大きい職場で、どのように過ごしたらいいのか、という悩みでした。
「今の職場は働いている他の人達が幸せではなく、それだけでもあなたのエネルギーがどんどん下がっています。あなたは感受性が強いので、職場の誰かが怒っていると、それをすぐに吸い取ってしまいます」
言葉にして伝えられたことで、自分でも薄々感じていたことがハッキリと可視化されたような印象を受けました。

帰国を翌日に控えたセドナ滞在最後の日、私は妻とともに初めてサイキック・リーディングを受けました。今回セッションをお願いしたNさんは、とても柔らかな微笑みを浮かべた女性で、漂っている大らかな雰囲気に感化され、すべて包み隠さず話してしまいたいと思わせる包容力を感じる方でした。


アップタウンには古き良きアメリカ西部の雰囲気が残されています。

「あなたが今後やってみたいことはなんですか?」
私はクリエイティブな能力を活かして、自分が生み出したものを発信したいという想いを口にしていました。それは目標ではなく夢に近いもので、遠い未来に実現できたらいいな、という程度の考えでした。しかし、Nさんはネガティブに陥っていた私の考え方を受け入れた上で、そこから導き出された一つの答えを伝えてくれました。

「今いる職場は無駄にエネルギーを放出してしまうので、そこから抜け出すことです。それが最初のステップです」
まるで編み物を編むように丹念に紡ぎ出されるその言葉は、歯を食いしばって仕事にしがみつこうとしていた私に、とても大きな動揺を与えました。

「お会いした時の感じは、居場所がなくてちょっと浮いている状態であるという印象でした。内なる子供はとても遊びたがっているが、今はとても深刻になりすぎてしまっています。これから楽しいことが待っているけれども、そのためにはあなたが魂のレベルでやりたいことをやる必要があります」
セッションを受けたことによって、いつか会社を辞めよう、というその「いつか」を先延ばしにしていた自分の気持ちに、やっと気付くことができました。


宵闇迫る日暮れの空に三日月が昇っていました。

帰国後、会社ですぐに大きなプロジェクトを任された自分は、セドナでの決意をすっかり忘れて仕事に打ち込んでいました。それから一ヶ月後、終電間際の帰り道にふと夜空を見上げると、とてもきれいな月が目に留まりました。その月を見ていたら、なぜか急にセドナを思い出し、今の自分が荒涼とした砂漠にいるような錯覚に囚われ、無性に悲しくなりました。そして「明日退職する意志を伝えよう」と決心したのでした。それは理屈では説明できない唐突な心境の変化でした。

それから間もなく退職し、私は新たな道を歩むことになりましたが、ときどき「もし会社を辞めなければ…」と考えることもあります。しかし、そのたびに辞めたことによって得たものがとても多いことに気付きます。私をトゥルーライフへと導いてくれたセドナは、理想の現実へと回帰させてくれた、いわば約束の場所だったのです。

セドナ旅行記は今回で最後となります。その後訪れるたびに新たな発見をし、かけがえのない経験を積み重ねていきました。次回からは、セドナで訪れたパワースポットや、周辺の観光名所などを、写真とともにお届けします。


夜になると空一面が星の光に埋め尽くされます。

 

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