栄養療法の権威・溝口徹先生インタビューPART.2「タンパク質はアレルギーを引き起こす?」

数日後に症状が出る
遅延型アレルギー

編:同じようにタンパク質を摂っても、アレルギーになる人とならない人の違いとは?

溝口先生:
『腸でしょう。腸内粘膜の強さや、腸内細菌のバランスなどが深く関係していると思います。
今、注目しているのが、遅延型アレルギーです。何かを食べた翌日か翌々日にだるくなったり、頭痛、身体のかゆみを感じるなど、通常のアレルギーとは違うタイプなのですね。このアレルギーがあると、腸が丈夫になりにくい。根本的に改善したい部分がいつまでも改善できないので、そういう場合はその食材を除去しないと、なかなかお腹を丈夫にできないのです。

遅延型アレルギーは、好きな食べ物、頻繁に食べる物でも起こる可能性がありますので、実際には検査しないとなかなか認識できません』

編:毎日摂取しているサプリメントでも、アレルギー反応を起こすことがあるのでしょうか。

溝口先生:
『もちろんあります。そのサプリメントにタンパク質が含有されているかどうかです。ですから、鉄のサプリを毎日摂ったところで、鉄分のアレルギーはそうそうありませんが、大豆が原材料のプロテインを毎日摂ったら、やはり大豆のアレルギーにはなりやすいのです』

編:溝口先生は、腸内のカンジダ菌についても警鐘を鳴らしていらっしゃいますが、カンジダ菌をなくす食品はありますか。

溝口先生:
『腸内カンジダ菌は、簡単にはなくせないと思っておいた方が良いでしょう。ですから、腸内でいかに悪さをさせないかということが肝心。カンジダが元気になるものを体内に入れないことです。たとえば、果物や精製された糖。また、抗生物質を飲んでしまうと一気にカンジダ菌が優勢になってしまいますから、そういう点に気をつけること。また、善玉菌を元気にしておいて、カンジダの勢力を抑えていくことですね』

偏りのない食事こそ
究極的な健康をつくり出す

編:マクロビオティックやローフードなど、さまざまな食事法が流行していますが、溝口先生から見て、究極的に良い食べ方とは?

溝口先生:
『雑食でしょう。肉も魚も野菜も食べて、油分は、普通に生活している限り充分に体内に入りますから、オメガ3系の油を意図的に摂るように心掛けることが大切ですね。

食べ物のバランスを良くするというと、“魚と野菜と白いご飯”って思う方も多いと思うのですが、組織の入れ替えが早くできる身体にするということが大切なのですね。そして組織の入れ替えには、タンパク質と脂肪が欠かせません。脂肪は質の良いものを選びます。

タンパク質は、基本的に身体のなかに入れば、動物でも植物性でも関係ありません。肉を食べるとお腹が……と言うのは、腸の問題であって、肉が悪いわけではない。腸を元気にするには、まず便秘しないこと。健康的な身体は、組織の入れ替えが早いのです。爪もどんどん伸びて割れることが少ないし、皮膚の傷の治りも早い。髪の毛もよく生える。そのような身体を目指しましょう』

~了~

<Profile>

溝口徹先生
新宿溝口クリニック院長。日本初の栄養療法専門クリニックを開設し、多くの疾患に栄養学的アプローチで治療にあたる。著書に『うつは食べ物が原因だった!』(青春出版社)ほか

http://www.shinjuku-clinic.jp

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