『心理セラピスト』が教える!「間違ったメンタルヘルス」について

『心理セラピスト』が教える!「間違ったメンタルヘルス」について

現代人の「心」への視点

物質至上主義の時代を経て、若干原点回帰して「人間は人間らしく、心をもっと尊重して生きた方が良いのではないか」と、ようやく気付いた時代。思いだした時代。だからこそ、心の時代と呼ばれる時代がやって来ました。それは「心豊かに生きる時代」。そんなふうに解釈出来たらとても素晴らしいと思います。

一方で心の時代には別の側面もあります。「人間の心が病んできた。心に病名がつく人が増えて来た」ということです。これは本音を言えば、気づかないフリをして、見て見ぬふりをして過ごしたいところですが、とてもそんなふうに思っていたらこれからの時代は生きて行けません。時代はもっともっと心にフォーカスした方が良い時代へとシフトしてきたのです。

流行語のように聞く言葉で「うつ病」というものがあります。如何にも最近はやり出したかのような感じもしますが、うつ病そのものは昔からあります。まず、それを覚えておいて下さい。決してうつ病は新しい病気ではないのです。

今回は後者。日本をむしばむメンタルヘルスの考えかたいついてお話しします。ちなみに、「メンタルヘルス=心の病」と思っている人も多いですが、厳密にはそれは違います。心の健康は病気かどうかではありません。身体に置き換えれば簡単にイメージできると思います。病名がついていなければ元気かと言われれば決してそんな事は無いのです。ぐったりしていたら病気かと言うとそうでもないのです。心も体も、疲れても弱っていても不具合があっても元通り復活しようとする機能が作用していれば「正常」であり、そうでなければ「問題アリ」なのです。家庭や学校、企業などでも「病名なければ問題ナシ」という解釈でメンタルヘルス教育を認識していたら、その認識から改める必要があります。

心の不調を意識し始めると「私には気合いが足りないんだ!」「私は根性無しなんだ!」「私は甘ったれなんだ!」「私は怠け者なんだ!」「精神科(心療内科)に行こうかな…」と自分を責める方がいます。一方では誰かに相談したら、「あなたは…」と主語を変えて指摘される事も少なくありません。比較的年齢層の高い方にそのような認識の方が多い気がします。自分でそのように感じたにしても、誰かに指摘されたにしても、「結局のところ私はダメダメ人間なんだ」という結論で完結させないでください。このパターンは、決して精神的に良いものではありません。

次に、心の不調を意識し始めると「じゃあ、どうしたら良いのかな?」と具体的に意識する人も少なくありません。とても素晴らしい事だと思います。最初に頭に思い浮かぶのは「受診」だと思います。いわゆる精神科や心療内科です。どっちが良いか悩む方もいらっしゃいますが、厳密にはどちらが良い悪いではなく、主治医となる先生の性格や考え方に大きく作用されると思います。ここでは詳しくは述べませんが、薬物中心治療の方針である病院はあまりお勧めできません。あまり知られていないかもしれませんが、精神科のお薬は副作用で悪化する方、自殺する方も少なくないのです。不安を煽るつもりはありませんが、頭に入れておいてください。

「最近は漢方が流行ってるよね?」と思う方もいらっしゃると思います。確かに流行っていますし、最近では本格的に漢方も見直されています。身体だけではなく、心の病に効果がある漢方薬もあります。しかし、これも注意点をお話しておきますが、自己判断で漢方を服薬すればOKと考えない方が良いです。手軽に入手できるものも多いですが、漢方に興味がある場合はできるだけ専門医に相談して見て下さい。「流行っているから…」と深く検討せずに手を出すと経済的にも精神的にも場合によっては良くないので充分に検討してください。特に漢方は副作用はないという間違った認識が浸透してしまっているので、それだけは絶対に抑えておいてください。

「TATSUMIさん。結局は自分が心理セラピストだからカウンセリングとか、勧めたいんでしょ?」と思われてしまいそうですが、それも否定しておきます。心理療法はいろいろありますし、カウンセリングも流派がたくさんありますが、完全なるモノ、絶対的な効果を保証するモノなど、この世には存在しません。心理学系、スピリチュアル系、医学系、サプリ系…いろいろなセラピストがいますが、どれも良い面もあれば、悪い面もあるのです。

非常に暗い内容になってしまいましたが、僕が主張したいのは「心が病んでしまったら、人生は終わりなのだ」ということではありません。人は心が不調になると少なからず焦りが出てくると思います。こんな時こそ、冷静な判断力が求められるのです。矛盾していますが、ここで出方を間違えると本当に危険なのです。

ずっと昔の話です。僕が若いころ、明らかに心が不具合を起こしている友人がいました。僕ではない人が見ても、何処からどう見ても危険な状態な状態でした。僕は迷わず「カウンセリングに行った方が良いよ」と言いました。そうしたら、ものすごく呆れた顔をして彼はこう言ったのです。「あのさ、君、ドラマとかマンガの観すぎなんだよ…。カウンセリングとか言ってるけど、あんなのフィクションの世界だよ…」と。その後、彼はどんどん状態が悪くなって、そのまま音信不通になりました。

僕は、ドラマやマンガのフィクションの話をしたかったのではありません。このまま放置したり、自己治療しようとしたら危険だと言う事。発言の内容も支離滅裂だったため、まずは心の整理整頓からした方が良いと思った事。それなりに思う事はあったのです。

今でも当時の事を思い出すと悔しい気持ちでいっぱいです。時は流れ、人々の心に対する認識もだいぶ変わって来ました。しかし病名の有無は別として、夢や希望を見失ってしまった人、心が疲れ切っている人、心が渇ききっている人、自分自身を完全に見失ってしまった人、治療を受けたのに悪化してしまった人…そんな人が、日に日に増えて来ている気がしてなりません。

これからは、「心の病名に詳しくなる」ということではなく「心を健康に保つ」ということにもっと1人1人が意識してくれたらと思います。そして、残念ながら病気に遭ってしまった場合、明らかに不具合が出てしまった時、「こうすれば問題は解決する」という道筋はありません。

自己判断の責任が重くはなりますが、しっかりと元気に復活できるプロセスを時間がある時にでも日頃から勉強しておく事をお勧めします。

ただ、心が元気でいるためでいる方法は本当はとても簡単なのです。自分を思いやり、自分以外の人を思い遣る。みんながそういう意識でいれば、心はいつだって元気なのです。