目の疲れには菊の花?! ~食用菊に秘められた驚きのパワー

秋の味覚として愛される菊

このところ朝晩めっきり涼しくなり、ようやく秋を感じる季節になりました。
この時期になると我が家では、菊のおひたしがおかずの一品として食卓に上るようになります。子供の頃から当たり前のように食べていたため、私にとっては、ほうれん草や小松菜などと同じくらいポピュラーな食材でしたが、いろいろな方とお話しするうちに、菊の花を食べる習慣のある家庭というのは思ったよりも少ないということに気が付きました。
しかし、この菊の花、実は驚きのパワーを秘めています。

菊は、中国最古の薬物学書といわれる「神農本草経」に薬用植物として掲載され、その薬効は「長く服用すれば、血や気のめぐりを良くし、身体を軽くし、長生きができる」とされ、かなり昔から身体に良い食べ物として重宝されていたようです。
また、漢方では「キクカ」と呼ばれ、疲れ目・かすみ目に効くといわれる「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」という漢方薬などにも配合されています。以前、この漢方薬で面白い体験をしたことがあります。当時、近視(左目0.02、右目0.1)のため自動車免許証に「眼鏡等」の条件が付いていた私は、免許の更新時に「何とか『眼鏡等』の条件をはずせないものか…」と考え、「駄目で元々」と更新前の数日間、杞菊地黄丸とアロマタッチの併用を試したことがありました。すると、免許の更新日当日、ドキドキの中で行われた視力検査は、まさかの裸眼で一発クリア!見事に「眼鏡等」の文字が免許証から消え去りました。それ以降、眼鏡をかけることは全くなくなり、想像以上の効果に自分でも少し不思議な気分です。

ところで、私がよく食べる菊のなかで「モッテノホカ」という種類の菊があります。少し風変わりな名前ですが、その栄養価は高いといわれています。この菊にはポリフェノールが豊富に含まれ、肝機能の保護・改善に有効であるという論文も発表されています。

難しい話はさておき、やはり気になるのは味の特徴です。
神農本草経にも記してあるのですが、菊の味の特徴は苦味です。この苦味が子供の頃はちょっと苦手で、食卓に上がってもなかなか箸が伸びませんでした。ところが大人になると、この苦味が不思議とおいしく感じられるのです。
サッと茹でた後に冷水で冷やし、酢醤油で和えた菊のおひたしは、口の中でさわやかな香りとほのかな苦味が広がって、酒の肴には打って付けです。おいしさとパワーを兼ね備えた食用菊。この時期、皆様のご家庭でも是非一度お試しあれ!