しあわせブータン便り第33稿「む」~「無償」

ブータンのしあわせの理由

本当に暑い夏が終わり、秋めいてきましたね。ブータンは今月、首都でのお祭りが開催され、この季節は、首都はもっともさわやかで過ごしやすい季節です。

ブータンはその「幸福度」で世界的に有名な国になりましたが、この幸福度を支えている3つの無償政策があります。このしあわせ便りでもご紹介させていただいたものをここでまたまとめてお話しさせていただきたいと思います。

ブータンの無償政策

まず日本では絶対にありえない大きな大きな無償政策は
① 土地が無償なこと
これは居住を希望する地区を指定し(もちろんこれまで代々暮らしてきた地域を中心に)政
府機関に居住する人数など申し出ます。審査を経て、栃が無償で提供されます。
家はもちろん自分たちで建てなければいけませんが、ブータンは村人同士で何年もかけて家を建てたりするので、材料さえあれば大丈夫です。木を一本切るのにでも政府の許可がいりますが、必要とあれば経済的に貧しい方には木は無償で提供されることもあるそうです。
住宅ローンであえぐ日本人とはまずここが大きな違いです。
首都は近年はアパートも増えてきており、3LDK100平米のアパートで300万ぐらいと聞いたことがあります。
公務員の月給が2万円~3万円ほど、政府関係者月給が数十万、成功している経営者などは数千万の年収があるのですから、そういった方は購入できます。一般市民にはなかなか難しいです。
でも土地がただってすごく大きなことですよね。だからブータンでは路上生活者を見ることはありません。

② 教育
日本において結婚し、子供を持つ家庭の大きな負担は教育費ですよね。
ブータンは高校までの公立学校の教育は無償です。また塾なんかはないので、私立にいれない限りは教育費の負担は学用品、制服などで済みます。それでもまだ就学率は6割ほどなので、いかにそれさえも変えない子どもが多いか、または、農村などでは遠すぎて通えない子どもが多いことがわかります。
でも教育費が無償はとても大きなことですよね。

③ 医療
誰にでも病気やけがになることはあり、医療費はかかりだすとその負担は大きいものです。
ブータンでは診察を受けた病院であればお薬も無料!だから病院はものすごく混んでいます。高齢者の集会場になっているところも……。
それに無償なので、みんなちょっとしたことでも病院にいってしまうという難点も……。
なんとこの無償が大きいところは、「どこまでも無償」。
たとえばがんの手術。ブータン国内でできない手術などの移動費なども政府が負担してくれます!ヘリコプターでインドの病院で治療!なんてこともありです。
また外国人であっても労働者や政府のボランティアなんかも無償です。私も2度ほど病院にいきましたが、無料でした。北欧もそうですが、支払窓口がないって本当に不思議です。またもちろんすべては平等の命のブータンは動物さえ無償です!ワクチンなんかももちろん!
最低限、人間が暮らそうと思えばこれらは絶対に必要ですものね。
ブータン政府の方と話すと、医療制度に関しては急にガンなどの重病者が増えたりすると崩壊してしまうぐらい大変な政策であることは間違えないのですが、いまのところなんとか頑張っているブータンです。
日本と異なることはやはりまだまだ現金収入がある方が少ないこと。だからこれらの制度が維持されている理由も次元が異なります。
やっぱり、ブータンはしあわせな国かな~。

 

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