ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.20~いいお肌を作るには何をすべきか?

スキンケアより大切なものがある!

最近睡眠のリズムが乱れてお肌が気になっております……。
ぼくは5年前くらいから自分の身体に気をつかい始めて、それ以来、肌は同年代の男性と比べてもキレイな自負はありますが、やはりライフスタイルが乱れると肌の調子は落ちてしまいます。
もちろんスキンケアは毎日欠かさずにやっています。ベーシックなスキンケアはクレンジング、洗顔、化粧水、美容液、乳液。定期的にスペシャルケアとしてディープクレンジングやマスクも。とくに夏場は日焼け止めも付けます。これくらいは基本中の基本ですね。
それゆえ、女性から「何の化粧品を使っているの?」「どういうお手入れをしているの?」と聞かれることはよくあります。ところが「どんな生活をしているの?」「どういう食生活をしているの?」とは聞かれることはほとんどありません。

いいお肌を作るために一番大事なことは

これはどういうことかと言うと、日本人の多くは「お肌はスキンケアで美しくするもの」という考え方が根強くあるということです。結論から言うと、肌の状態は「栄養」と「睡眠」の2つのファクターでほぼ決まります。次のファクターを加えるとしたら「運動」「ストレス」「スキンケア」という感じでしょうか。
特に栄養は肌の状態を作る最も重要なファクターです。なぜなら食べているものは肌を作る原料になるからです。そしてその原料を元に肌を作るのが睡眠です。例えてみると、家を作る木材や釘、コンクリートなどの材料が栄養、大工さんたちが睡眠です。どんなにいい木材を使っていても、大工さんたちの腕が悪ければ良い家はできないし、逆に腕のいい大工さんたちがたくさんいても木材が腐っていればしっかりとした家はできない。

ぼくのケースでお話をしますと、ぼくは小さいころから典型的な乾燥敏感肌で、かつアトピーがありました。
小さい頃から顔をよく掻いていて、とくにおでこが乾燥とかゆみがひどくて、前髪がおでこにかかるとかゆくなってしまうので前髪をおろすのがすごくイヤでした。汗でもすぐにかゆくなりました。
セラピストの仕事ではフェイシャルもやっていたので、自身でもコスメはいろいろ使っていました。それこそ何万円とするクリームや美容液です。でも根本的に乾燥や敏感肌を改善することはできませんでした。それどころか、コスメの成分に肌が負けて、逆にかゆくなることが多かったのです。
ある時期から栄養の勉強をしだして、清涼飲料水などを避けて水をたくさん飲むようにし、毎日の食習慣としてプロテインを飲むようにしました。
すると数ヶ月経って気づいたときにはおでこの乾燥が治まっていてしっかり保湿された感覚が出ていて、かゆみが出ることがほとんどなくなっていたのです。
あれだけ何年間も高価な化粧品を使い続けて改善しなかったのに、お水とプロテインを取り入れただけでです。
今まで化粧品に支払い続けたお金返してほしいくらい……。もっと早く栄養のことを知っていれば良かったと思いました。

でも振り返って考えてみたら当たり前のことなんですよね。
身体の中に十分なお水がなければお肌が潤うことはありえないし、その水分を保持したり、弾力性を保ったり、外界からの刺激から守る強い肌にするには、主原料となるタンパク質が必要なわけで、それらを十分に補えばいい肌ができるのは当然なんです。

でも残念ながら、その当たり前のことがぼくは理解していなかったし、今でも理解できていない人はとても多いのです。

エステでタバコ?

以前、とあるアンチエイジングのセミナーで、ミス・ユニバース・ジャパンの公式栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんが語っていたのが強く印象に残っています。
「日本人は栄養より化粧品にお金を使う。100円のメロンパンを食べながら10,000円の化粧品を使っている。」とほんのり皮肉を込めて言っていました。

ぼくもそれは感じています。
エステで高いお金を払ってスキンケアをしてもらいながら、普段はタバコを吸っているという人が案外いたりする。やっていることが実にあべこべ。
さっきの家で例えると、高いお金を払って家を一生懸命作っている下で、シロアリを持って来て土台となる木材をにガリガリ食べさせているようなものですね。
エステティック業界を中傷するつもりは全くありませんが、なぜだかエステティシャンでタバコを吸っている人が多いんですよね……。売上げのノルマによるストレスが強いせいもあると思うのですが、「身体に取り込んでいるものが肌を作る」ことを認識できているエステティシャンは残念ながら多くはないのです。

いいお肌を作ろうと思ったら、必要な栄養を摂ることはもちろんですが、タバコのように身体にとって不要なモノを減らしたり取り除いたりすることはもっと大事だったりします。お肌のために減らすべきものをいくつか挙げてみましょう。

1、タバコ
2、アルコール
3、ストレス
4、砂糖などの糖類
5、動物性脂肪

とくに注目すべきは4の糖類です。これはここ最近とくに注目されている「糖化」の問題です。簡単に説明しますと、身体の中に過剰に残った糖が体内のタンパク質と結びついてタンパク質を焦げつかせます。これによりタンパク質がボロボロになってしまうというものです。タンパク質がボロボロになる、つまりお肌がボロボロになるということです。さきほどのエリカさんの話で出たメロンパンはそういうことなんですね。糖化の話はまた別に機会をもうけましょう。

スキンケアも忘れずに!

肌を美しく保つためにスキンケアはもちろん大事です。
スキンケアを肌に栄養を与えたり、水分・油分を与えて保湿力を高めたり、環境から肌を守る役割もあります。
スキンケアも肌を美しく保つための基本として手を抜いてはいけません。
ただ、それ以上に優先すべきは「1に栄養、2に睡眠」だということを肝に命じておいてください。
ここがちゃんとしてなければ、いくら高いコスメを買っても、エステティックサロンに通ってもしょせん無駄に終わってしまうことでしょう。