「共感覚」~あらゆる感覚を研ぎ澄ませて芸術脳を活性化する!

感覚を伸ばす訓練

みなさんは「秋」をどのようにお楽しみでしょうか。
「読書の秋」、「スポーツの秋」、「食欲の秋」など、個々の好みや趣向によって沢山の楽しみ方があると思います。涼しくて過ごしやすいのでレジャーを楽しむのも良いかもしれませんね。

今回は「芸術の秋」についてお話しようと思います。
音楽や美術、演劇、文芸、映画、舞踊など、幅広いジャンルを一括して芸術と呼びます。芸術家と言えば、特殊なセンスや脳を持っているというイメージがあると思います。もちろん、そういう人もいるのですが、この特殊なセンスや考え方はトレーニングによって私たちにも育てる事は可能なのです。

あなたは「共感覚」という言葉を聞いた事があるでしょうか。別名をシナスタジアとも呼びます。これは、ある刺激に起こる通常の反応を別の感覚で捉え……なんていうと、頭がこんがらがってしまいますので、具体的な例をお話しますね。

たとえば音。
これは耳を使いますよね。音は聞くものですから。しかし、こんな言葉を聞いた事がありませんか?「黄色い声援」。キャーキャー言われることです。それはそうと、比喩とはいえ、なぜ聴覚刺激を色でたとえる言葉があるのでしょうか。必ずしもではないのかもしれませんが、私たちの脳のなかには元々、特定の部位以外でも、物事を解釈、認識で来る機能があるということなのかもしれません。最近では、音楽家教育でも、音を色のイメージで解釈するように指導している人もいるそうです。食欲の秋ということもあるので食べ物で例え話をしますね。ハンバーグをイメージして下さい。美味しそうかどうかを決める時、一般的には味覚が重要ですよね。後、大事なのは嗅覚ですよね。もちろん見た目も重要です。では、目隠しをしてハンバーグの焼ける音だけを意識したらどうでしょうか。聴覚刺激だけでも、きっとあなたは美味しそうと感じると思います。

日々、五感を、いや六感までフル活用して、あらゆる感覚を研ぎ澄ますことが出来たら、芸術脳が活性化しそうな気がして来ませんか?

私も音楽家(演奏家)としてのお仕事もお受けしていますが、音楽脳を活性化させるために、日頃から出来るだけ、あらゆる感覚を研ぎ澄ませるように意識しています。簡単に出来る方法としては、お散歩がオススメです。今だと季節は「秋」なので、景色を見ながら、空気の匂いを感じながら、スズムシの声を聞きながら秋と言う感覚を全身で捉えるように意識します。慣れてきたら、先ほども言った通り、音を色で捉えるように意識したりしてみて下さい。いろいろな発見があってなかなか楽しいと思いますよ。

少し脱線しますが、障がい者教育にも、この「共感覚」を使えば失った機能以外の感覚で物事を理解し、把握できるのではないかと思います。もしかしたら、既に、そのような教育も研究されているかもしれませんね。

ちょっぴり、芸術家に近づけた気がして来ませんか?