胃腸薬の選び方にはコツがある~お肉の食べすぎに効かない胃腸薬?!

胃腸薬の選び方

食事の前には「食べ過ぎないように」と気をつけていても、いざおいしそうな料理を目の前にすると、ついつい食べ過ぎてしまい、あわてて胃腸薬を飲んでしまうことはないでしょうか? ドラッグストアの棚には数多くの胃腸薬がズラリと並べられていますが、いざ購入しようと思うと、どれを選んでいいものかと迷ってしまいます。ついつい「CMでよく見る薬だから」などの理由で選びがちですが、薬を使う際には症状に合ったものを選ぶことが大切です。

一口に胃腸薬といってもその働きはさまざまです。例えば、CMが印象的だったガスター10は、H2ブロッカーという成分を含むタイプの胃腸薬です。この薬は、胃酸の分泌を抑えることを目的としたものです。胃酸には殺菌作用や消化を助ける働きがありますが、過剰に分泌されると胃の粘膜を傷つけてしまいます。そこで胃酸の分泌を促進するヒスタミンという物質の働きを阻害することにより、胃酸の過剰分泌を抑えようという考え方のお薬です。
 
この薬は、胃に痛みを感じるときによく使用されます。同様の働きをするものには、アバロンZ、アルタットAなどがあります。セルベールやストッパ胃腸薬は胃の粘膜を保護する薬で、胃の弱りを感じるとき、食欲がないときなどに用いられます。また、ヘパリーゼ胃腸内服液のように胃腸機能を亢進する働きを持つ健胃生薬を含む胃腸薬もあります。
 
このタイプの薬は、食べ過ぎによる胃もたれに効果があります。サクロン、パンシロンクールNOWなどは制酸剤を含む胃腸薬で、胸やけやゲップが出るときに有効です。しかし、制酸剤には肉料理と相性が悪い成分が含まれていることがあるため、少し注意が必要です。肉に含まれるリン酸が胃の中で薬と結合してしまい、薬が効力を失ってしまうケースがあるためです。成分表に「水酸化アルミニウム」、「水酸化マグネシウム」の文字を発見したら、肉料理とは相性が良くない胃腸薬と判断できます。腹八分目が基本ですが、胃腸薬が必要なときには薬の特徴を知り、適切なものを選びましょう。