ブータンしあわせ便り第32稿「み」~「みんな家族」

ブータンしあわせ便り第32稿「み」~「みんな家族」

雨季のブータンは要注意

日本も梅雨明けする地方もちらほら。ブータンには地域によって梅雨という雨季のようなものがあります。そんな時はブータンに行くのはとっても危険!なにせがけ崩れが想像を絶します。それにブータンの山々の路にはガードレールがほとんどといっていいほどありません。谷底へ、岩も、木々も、時には車も一直線!な世界です。本当に自然と共生しているということはこんなにも厳しいんだと、舗装され、整備された日本の道路を歩くといつも思います。

私のブータンの友人の一人はブータンで大成功を収めている経営者……彼の職業はなんと道路整備!「土砂崩れがしょっちゅう起きて、儲かって仕方ない」なんてことを聞いたこともあります。なんてことでしょう……。「日本の機械がほしいな~」とも。そう、ブータンでビジネスの成功者の多くは建設業。道路整備、インフラ整備、建築、建設……そんな人たちがホテル事業、旅行業とファミリービジネスで手を広げ、益々富める人たちになっていきます。貧富の差は日本人が想像するよりも、ものすごく大きいのです。

ブータン国王からのメッセージ

今回の「みんな家族」は、第五代国王様の演説での国民へ向けられたお言葉です。

「私たちはみんな家族です。小国であり、非常に少ない人口であるブータン人は、みんな家族です。ブータンという国をみんなで背負っています。みんなでブータンをつくっているのです」といった趣旨のお言葉です。

ブータンは人口約70万人、九州の約1.1倍の広さの土地に人々が暮らします。首都の人口は約10万人。しばらく滞在すると、たくさんの人と顔見知りになってしまうような国です。

そんなブータンが鎖国状態から近代化に向けて政策をスタートした1960年代、それから50年、大国にはさまれた地理的な要因に置かれた小さな国家、外交政策、国際力をつけるには、英語教育の普及(これには以前お書きしましたが、国際力を養う以外に、ブータンの国語であるゾンガ語には国際的に使用される多くの単語がなかったためもっとも国際語である英語にて代用する必要があった:必要なかったので発達しなかった)、就学率の向上、医療の普及……などさまざまな政策がまさに王様の言葉通り、「みんな家族」という精神の中で行われてきたといえるでしょう。

このような規模の国々では近親間の結婚も多いので、さらにそんな気持ちは強くなると思います。また、一夫多妻、一妻多夫の方もいまだに存在するので、ますますその精神の強さを感じる時があります。このブータンの「みんな家族」という意志は滞在するとあらゆる面で感じることがあります。

私もブータンで知り合った方を「ブータンのお父さん」と本気で思うほど(父の日にギフトを送りました!)本当に、何かあれば父のように接し、母のように心配してくれる人もたくさんいます。どうしてかはブータン人のなんともいえない、人懐っこさと、小国だからなせる「親しみ」なのかもしれません。

ブータンに行くと、なんでもどうにかなってしまいます。それもブータンという大家族の力で!これはほんと、だから私はいつも、のんびり、日本よりもかなり気を抜いて、人生が過ぎゆくまま、暮らしていたような気がします。そんな家族の元へ、また行きたいです。なんだかブータンの家族には懐かしさがあります。

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