「妊娠を望む女性は、まず規則正しい食生活」セントマザー産婦人科医院院長・田中温先生PART.3

不妊治療の世界的権威が贈る!
妊娠を望む女性へのアドバイス

妊娠を望む女性に心がけて欲しいのは、第一に、「規則正しい食生活」です。食事内容は特に指示しません。人の身体というのは肉を食べようが魚を食べようが野菜を食べようが、簡単に変化しないようになっている緩衝作用がありますから。普通の食事でいいのです。サプリメントも必要ありません。規則正しい食生活、つまり規則正しい生活のリズムができていれば、ホルモンも安定し、月経周期も整ってきます。

規則正しい食生活をしていれば肥満にはならないはずです。もし肥満なら、生活リズムを見直し、痩せたほうがいいですね。肥満は、生活習慣病などの原因になるだけでなく、血中のコレステロールや糖がホルモンに影響を与え、生理不順や排卵障害の原因になるからです。ダイエットが成功するか否かは、最終的には本人の意思の強さであり、本当に痩せたいという気持ちがどれだけ強いかだと思います。私たちは、応援はするけれど、ゴールまでたどりつけるかどうかは本人次第。マラソンランナーをいくら応援しても、本人に走る気がなかったら無理ですよね。これは不妊治療にも同じことが言えます。要は、自分で自分の不安定な部分をコントロールできるようにしていこうという決意をし、それを現実にしていく努力をすることが重要なのです。

また、ダイエットに関係なく、運動も習慣づけたほうがいいですね。哺乳動物のなかで、二本足で歩くのは人間だけなので、どうしても足腰に負荷がかかります。長生きする人は、たいてい足腰が丈夫です。ある程度、脈が増えて汗ばむくらいの負荷がかかる運動を少しでもいいからできれば毎日、無理なら週2~3日でもいいので続けてください。

自分で自分の精神状態を
コントロールすることが大事

精神面で言えば、ストレスをためないことも重要です。私のところには、不妊に悩む女性から毎日メールが50~60通届きます。私はそれら全てに返信を書くのですが、実はほとんどの方が私の病院の患者さんじゃない。会ったこともない私にメールを送るというのは、実は相当切羽詰まっている状況であり、かなり厳しい内容がたくさん書いてあります。そういうことを思い切って書いて、送って、顔は見えないながら何度もメールのやりとりをするうちに、自然に赤ちゃんができる人が実は何人もいるのです。メールのやりとりによって不妊治療に対する正確な知識が増えてくると、徐々にストレスや不安感がとれてきて、病院へ通うのが苦でなくなる。もちろん、間違っている治療方針を正しく変えるように指示してすぐ授かったというケースもありますが。

私はいつも、妊娠を望む女性に、長期戦となる不妊治療のなかでは自分で自分の精神状態をコントロールすることが大事と話しています。ただ、どうしようもない時は、専門家に話を聞いてもらったりアドバイスを受けたりすることも、前を向いて歩き出すきっかけになるかもしれません。

~続く~

【Profile】
セントマザー産婦人科医院院長 田中温
85年日本初のギフト法による児誕生に成功。現在は良い卵を育てる方法の検討や円形精子細胞を用いた顕微授精に力を注ぎ、日々の診療にあたっている。不妊症治療のゴールは妊娠ではなく出産であると考え、お産に関するサポート体制はもちろんのこと、アロマセラピー、漢方、遠赤外線医療など、身体に負担の少ない代替療法も多く取り入れている。

セントマザー産婦人科医院  http://www.stmother.com/

<information>
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Text:Izumi Sakauchi